研究課題/領域番号 |
01570593
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中島 俊文 大阪市立大学, 医学部, 助手 (30155725)
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研究分担者 |
津村 昌 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60207446)
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キーワード | 温熱療法 / RF誘電加温 / 温度分布 / 温度分布計算システム / パ-ソナルコンピュ-タ / 有限要素法 / 血流測定 / 温度降下法 |
研究概要 |
完成した16ビットパ-ソナルコンピュ-タを用いた温度分布計算システムの計算結果を、臨床加温時の実測温度デ-タと比較し、計算に必要な電磁気、熱両面の諸数値の決定を行った。定常状態の温度分布では、無限時間の加温がその前提となるため、熱伝導率の値の少しの変化で異常値を示し、値の許容範囲は狭く、非定常の温度分布と異なる特徴を認めた。1時間までの加温である臨床状況に対応する温度分布の検討には非定常温度分布での検討が必要である。三次元計算プログラムを用い温度分布計算を行い、二次元計算プログラムの計算結果との比較を行った。電気力線の方向と、直交する方向に電気伝導度の異なる物質が存在する場合には、両者の値は一致せず三次元計算の必要性は明かである。しかし三次元計算の開発には多額の計算機使用料が必要なうえ、パ-ソナルコンピュ-タレベルでの開発も困難である事が判明した。そこで三次元構造を二次元で近似計算する手法を開発する必要が明かとなった。手法としては(1)CT値により判別した生体構造をCRT上の操作により変更する。(2)構造の特徴にあわし計算に使用する諸定数値を変更する。の2方向を決定したが、結論には至らなかった。温熱治療時の患者のWashout curveから血流量を求める方式を確立し、患者デ-タの蓄積を進めた。まず理論計算を行い、この方式が成り立つ条件を明かとし、皮下2cm以下の測定点であれば悪くとも25%以下の誤差で血流量の測定ができる事を明らかにした。腫瘍内血流量は温度上昇につれ増加したが、42℃以上では逆に低下する変曲点を認め、正常組織では、41℃以上では腫瘍より高い血流量を認めた。温熱療法中の電磁気的、熱的諸定数は環境変化に対応して変化する。この変化に対応できる非線形非定常温度分布計算システムの開発を行つたが、生体内情報の不足から、その意義は今後の判定を待つ必要があつた。
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