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1990 年度 実績報告書

過血糖など腫瘍内酸性による温熱効果増強

研究課題

研究課題/領域番号 01570597
研究機関関西医科大学

研究代表者

田中 敬正  関西医科大学, 医学部, 教授 (40131445)

研究分担者 長谷川 武夫  関西医科大学, 医学部, 講師 (80077784)
キーワード熱感受性 / 過血糖 / グルコ-ス / 腫瘍内pH
研究概要

1.目的
癌の温熱療法において、組織内pHの低下は、熱感受性を高めることが知られている。本研究は過血糖などにより組織内の低pHを測り、腫瘍熱感受性を選択的に高めるのが目的である。今回は、マウス実験腫瘍を用い、グルコ-ス投与による組織間液pHの低下は、pHe(細胞外)、pHi(細胞内)のどちらの低下に起因するかを明らかにするために微小電極とMRS法の2つの測定法で比較検討した。
2.方法
実験腫瘍としてC_3H/HeマウスにFM3A腫瘍を移植したものを用い、7mmφになった時に実験を行った。4.7T NMRを使用し、pHの測定にはPcrを基準にしてPiケミカルシフトより求めた。
3.実験結果
(1)グルコ-ス投与による血中グルコ-ス濃度の経時的推移を見ると、30分後には840mg/dlと最大となり1時間後に750mg/dl,6時間後に140mg/dlまで低下した。(2)グルコ-ス6mg/gの腹腔内投与直後から1時間の ^<31>PーMRSの経時的変化を見た。グルコ-ス投与群の1時間後には、対象群に比べ変化はなかった。pH値も変化は見られなかった。(3)グルコ-ス投与30分後に44℃、30分温熱を行った場合、3本のATP、Pcrが著明に低下し、Piピ-クのみが著明に増加した。その時のpHの変化は温熱前は7.2、温熱直後7.0、1時間後は6.9となり0.3の低下を示した。(4)44℃温熱10,20分の24時間後のATP/Pi比及びグルコ-ス投与30分後に44℃で10,15,20分加温した時の24時間後のATP/Pi比を調べた。温熱単独では対照に比べ加温10で15%、20分で45%ATP/Pi比が減少し、温熱量の増加に比例してATP/Pi比が低下することが判った。また温熱にグルコ-スを併用することで更にATP/Pi比の低下が認められた。即ち、腫瘍エネルギ-の活性を示すATPはグルコ-ス投与により更に低下することが判明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takeo Hasegawa: "Enhancement of hypoxic cell sensitizer using a vasodilator" International Journal of Radiation Oncology Biology Physics.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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