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1989 年度 実績報告書

悪性症候群の病態と治療に関する実験的研究--病態モデル動物の作成とその病態に関する神経化学的検討--

研究課題

研究課題/領域番号 01570598
研究機関北海道大学

研究代表者

小山 司  北海道大学, 医学部, 助教授 (10113557)

研究分担者 松原 繁広  北海道大学, 医学部, 助手 (40142731)
山下 格  北海道大学, 医学部, 教授 (60000923)
キーワード悪性症候群 / 病態モデル / Fawn-Hooded系ラット
研究概要

我々は、Fawn-Hooded(FH)系ラットにおいて、tryptophanとpargyline併用投与によって高熱反応、筋硬直、血清CPKの異常高値を認め、さらにdantroleneによる症状および血清CPK異常値の改善効果においても、抗精神病薬投与中に出現する悪性症候群と極めて類似した事象を見いだし本症候群の病態モデルとして提唱してきた。本年度は、FH系ラットの神経化学的特性を明らかにすることによって、病態モデルの成立過程を解明することを試みた。得られた知見を整理すると、以下の通りである。
1)FH系ラットは、対照のSprague-Dawley(SD)系ラットと比較して、脳内5-HT代謝回転は検討した全脳部位で、DA代謝回転は線条体と側座核の2部位で有意に亢進していた。
2)FH系ラットの血小板5-HT含量は明らかな低値を示したが、血漿5-HIAAは高値であることから、末梢でも5-HT代謝回転が亢進していると推定された。
3)脳内透析法を用いることによって、tryptophan・pargyline併用負荷時、FH系ラットでは、シナプス間隙への異常に過大な5-HT放出を認めた。
4)5-HT受容体アゴニスト投与時の5-H5_2受容体刺激による体温上昇およびwet-dog shakes出現数を指標とするとFH系ラットの5ーHT_2受容体感受性は、SD系ラットに比較して有意に亢進していた。
5)海馬における5-HT_2受容体関連のPI代謝回転には両系で差異を認めなかった。
6)脳内NE、DA、5-HT含量は両系て有意差を示さなかった。
4)その他、D_1およびD_2受容体、5ーHT_1および5-HT_2受容体のBmaxKd、さらに5-HT、DA再取り込み部位数にも差異を認めなかった。以上の知見からFH系ラットにおけるシナプス前および受容体(5-HT_2)の両過程を介した5-HT神経活動の異常亢進が病態モデル成立過程の一要因となることが推定された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小山司: "悪性症候群の病態と治療に関する実験的研究:病態モデル動物の作成" 神経化学. 27. 308-309 (1988)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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