研究課題/領域番号 |
01570607
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
横井 功 岡山大学, 医学部, 助手 (80150366)
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研究分担者 |
平松 緑 岡山大学, 医学部, 助手 (70124790)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 実験けいれん / Elマウス / グルタミン酸放出量 / アスパラギン酸放出量 / γーアミノ酪酸レセプタ- / γーアミノ酪酸アゴニスト / グルタミン酸レセプタ- / グルタミン酸拮抗薬 |
研究概要 |
遺伝性てんかん動物であるElマウスは薬物などを投与することなしに強直性・間代性けいれんを起こすためにヒトの部分てんかん、あるいは側頭葉てんかんの良いモデル動物と考えられている。我々は本研究で、Elマウスのけいれん発現機序をアミノ酸神経伝達物質放出異常の面より検討した。この結果、脳内の興奮性アミノ酸神経伝達物質であるアスパラギン酸の放出がElマウスでは増加していることを見いだした。また、Elマウスのけいれん抑制効果を持つvalproate(抑制性アミノ酸神経伝達物質であるGABAのアゴニスト)がアスパラギン酸の放出を抑制することも見いだした。さらに、これらの生化学的成果に立脚して、興奮性アミノ酸神経伝達物質の拮抗薬、及び抑制性アミノ酸神経伝達物質のアゴニストをElマウスに投与して、これらの薬物がElマウスのけいれん発作発現を抑制することを見いだした。以上の結果、GABA高親和性GABA_Aレセプタ-、GABA_Bレセプタ-、NーメチルーDーアスパラギン酸(NMDA)型グルタミン酸レセプタ-及びメタボトロピック・グルタミン酸レセプタ-がElマウスのけいれん発現機構に関与していることが明らかとなった。しかし、GABA低親和性GABA_Aレセプタ-、カイニン酸型グルタミン酸レセプタ-及びキスカル酸型グルタミン酸レセプタ-はElマウスのけいれん発現機構に関与していないことが明らかとなった。 本研究の成果は、単にElマウスのけいれん発現機構の一端を明らかにしたばかりでなく、Elマウスのけいれんを指標とすることにより、新しい抗てんかん薬のスクリ-ニングに際して有用な情報が得られることを明らかにした。
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