研究課題/領域番号 |
01570608
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
水木 泰 山口大学, 医学部, 助教授 (00080721)
|
研究分担者 |
山田 通夫 山口大学, 医学部, 教授 (00034942)
牛島 逸子 山口大学, 医学部, 助手 (30168679)
|
キーワード | 薬物耐性 / 逆耐性現象 / Apomorphine / Methamphetamine / Haloperidol / Adenosine / Benzodiazepine / GABA |
研究概要 |
Haloperidol(Halo)をマウスに反復投与した後離脱すると、ベンゾヂアゼピン(BDZ)拮抗剤のβーDMCM(inverse agonist)、caffeine(adenosine antagonist)によって生ずる強直性痙攣閾値を低下させたが、GABAa拮抗剤のbicuculline、Cl^-チャンネル阻害剤のpicrotoxinによるそれには影響を与えなかった。βーDMCM痙攣に対して、diazepam及びその拮抗剤のRo15ー1788(partial agonist)は生食水投与群のレベルまでに回復された。アルコ-ル離脱はこれらの痙攣閾値に対して影響を与えなかった。従って、Halo離脱によるβーDMCM誘発痙攣閾値低下に関して、BDZ系機構はDA性神経と相互作用するが、GABA性神経機構は直接関与しないこと、また、アルコ-ル禁断時はHaloと異なった機序を介して痙攣準備性の形成に関与することが示唆された。Halo反復投与によって、Haloによるカタレプシ-は抑制され、この抑制はdiazepam、βーDMCM、muscimol、adenosine興奮剤のCHAによって、対照群のレベルまでに回復された。これらの拮抗剤は影響しなかった。従って、Halo反復投与により中枢のDA性神経は一部亢進され、中枢の抑制性機構(プリン、BDZ、GABA性機構)はDA性神経に対して恒常性を維持するような制禦機能を有するのかも知れない。DA興奮剤のapomorphine(Apo)反復投与からの離脱群において、Apoの大量投与による常同行動に対して、sniffingは増強(逆耐性)、licking、bitingは抑制(耐性)材用を示した。これらの現象に対して、抑制性機構は異なった作用を示し、これら行動の発現する脳部位あるいは経路が異なることが示唆された。少量のApoによるyawningは抑制(Dー2受容体は抑制)され、Haloカタレプシ-には影響を与えなかった。Methamphetamine(MAP)反復投与の離脱群において、yawningもカタレプシ-反応も有意に増強(前シナプスのDー2受容体は興奮、後シナプスのそれは抑制)された。この点が、DA遊離促進剤のMAPと直接受容体に作用するApoの異なる点である。
|