研究課題/領域番号 |
01570615
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
水野 鍾二 慶應義塾大学, 医学部・精神神経科, 講師 (90051408)
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研究分担者 |
上村 秀樹 慶應義塾大学, 医学部・精神神経科, 助手 (40203484)
堀 宏治 慶應義塾大学, 医学部・精神神経科, 助手 (90190222)
和田 孝雄 慶應義塾大学, 医学部・内科, 講師 (10090036)
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キーワード | 時間生物学 / コルチゾル / 直腸温 / 血漿MHPG / 深部体温 |
研究概要 |
躁鬱病のカテコ-ルアミン仮設及び時間生物学的検討のため、今年度まず正常男性の血漿遊離及び総MHPG値、血漿コルチゾル値、直腸温の日内変動を調べた。まず予備研究として、Felicien(1984)、Echizen(1988)の方法を基にして、HLC-ECD法による血漿MHPGの簡便で迅速な測定法を確立した。次いで正常対照者の男性例に於いて2時間毎に採血を行い、血漿遊離及び総MHPG値、コルチゾル値を測定した。同時にテルモ社製コアテンプCTM205を用いて直腸温及び深部体温の24時間連続測定を行った。これにより正常男性対照者の血漿遊離及び総MHPG値、コルチゾル値、直腸温の日内リズムを明らかにした。尚得られたデ-タは、コサイナ-法にて解析を行った。血漿遊離MHPG値については、コサイナ-法解析を行った際の最大値をとる時間(=頂時位相)が11時から18時を示したが、統計的に有意であった症例に絞ると頂時位相は15時から17時を示し、過去の血漿総MHPG値の概日リズムについての報告と一致する。血漿総MHPG値については24時間にわたる値の変動値が小さく日内変動というよりもむしろ、各個人において一定の値を取る傾向が見られた。なお同一人に於ける血漿遊離MHPG値の総MHPG値に占める割合は、約30%であった。血漿コルチゾル値については午前6時から午前10時に最高値をとり、以後漸滅するパタ-ンが認められた。また直腸温、深部体温については睡眠中に低値を示し早朝6時頃に最低値となり、午後高値を示した。また直腸温とコアテンプCTM205による深部体温は、ほぼ平行して推移しているため、コアテンプCTM205による非侵襲的測定も可能である。これらの血漿遊離及び総MHPG値、血漿コルチゾル値、直腸温についてコサイナ-法解析を行い、リズム水準、振幅、頂時位相、年齢、体重の相関を調べた所、血漿MHPG値、コルチゾル値のそれぞれのリズム水準と振幅間に正の相関が得られたが、頂時位相間には明らかな相関は認められなかった。
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