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1989 年度 実績報告書

前ロ-ランドおよびロ-ランド動脈潅流領域と失語

研究課題

研究課題/領域番号 01570616
研究機関金沢医科大学

研究代表者

榎戸 秀昭  金沢医科大学, 医学部, 助教授 (70092765)

研究分担者 北本 福美  金沢医科大学, 医学部, 助手 (00186272)
平口 真理  金沢医科大学, 医学部, 講師 (30064629)
玉井 顕  金沢医科大学, 医学部, 講師 (80148171)
キーワードBroca失語 / 起皮質性運動失語 / 前ロ-ランド動脈 / ロ-ランド動脈 / タッピング
研究概要

平成元年度中に、新たに前ロ-ランド動脈潅流領域に一致する梗塞巣を有する1例とロ-ランド動脈潅流領域にほぼ一致する梗塞巣を有する2例を観察することができた。その結果:
(1)両者の失語像の相違は、従来われわれの指摘(榎戸ら;神経心理、2;174-181、1986:神経心理、4;125-132、1988:失語症研究、8;22-27、1988)を支持するものであった。従来のretrospectiveな検討による知見が新鮮例で確認することができた。これらの知見はBroa失語に伴う構音面の障害の発現には中心前回後半部の病巣が必要であり、他方文法レベルでの分構成障害にはBroca領野を含むF_3やF_2後部が多く関与することが示唆される。一般に中心前回の下部では、第1次運動野は中心溝に沿うように存在し、中心前回の前半部は前運動野に属する(Brodmann's chart)。したがって、Broca失語に伴う構音面の障害は第1次運動野の損傷によるとの推定が可能である。両動脈潅流領域に属する各領野は自発語産生過程においてそれぞれ機能分化していると考えられ、さらに詳細な研究の進展を期したい。
(2)tapping課題で、前ロ-ランド動脈潅流領域の梗塞例は強弱tappingが困難であるのに対し、ロ-ランド動脈潅流領域の梗塞例では可能であるという相違で見い出された。この知見について今後症例を増やして検討する必要がある。また、本研究中に前大脳動脈領域の梗塞でtapping困難例を見出す機会があった。前ロ-ランド動脈潅流領域の梗塞による強弱tapping障害との症候学的差異についても検討したい。

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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