研究課題/領域番号 |
01570638
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯田 さよみ 大阪大学, 医学部, 助手 (40159554)
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研究分担者 |
森脇 要 大阪大学, 医学部, 助教授 (90028548)
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キーワード | グルココルチコイド / グルココルチコイド受容体 / 家族性コルチゾ-ル抵抗症 / EBーvirus transformed lymphocytes / 受容体測定 / 異常グルココルチコイド受容体 |
研究概要 |
私どもが報告した家族性コルチゾ-ル抵抗症症例のグルココルチコイド受容体異常の分子遺伝学的解析を試みた。本症例のグルココルチコイド受容体数は、デキサメサゾン結合測定では正常の半分に減少している。末梢血リンパ球をEpsteinーBarr virusで形質転換した永久継代細胞を用いて、まずこの細胞でもグルココルチコイド受容体数が減少していることを証明した。次に、グルココルチコイド受容体のDNA結合領域からステロイド結合領域を認識する抗体を使って、Western blottingを行った。Western blottingにおいても本症例ではグルココルチコイド受容体は正常の約半分に減少していた。一方、Northern blottingによると、本症例のグルココルチコイド受容体mRNA量は、正常のそれとほぼ同量であった。このことから、本症例では正常のグルココルチコイド受容体が約半分存在し、残り半分は、正常の受容体より少し小さい受容体の存在することが示唆された。グルココルチコイド受容体cDNAをプロ-ブとし、各種制限酵素を用いたSouthern blottingでは、本症例において、とくに異常バンドは検出されなかった。したがって、本症例のグルココルチコイド受容体遺伝子に、大きな欠損部位はないものと考えられる。現在、本症例のグルココルチコイド受容体遺伝子をクロ-ニングし、その塩基配列の決定を行っている。異常遺伝子はヘテロであるため、クロ-ニグしたDNAの異常をみつける機会は50%である。当該年度では未DNA上の異常はみつかっていないが、平成2年度もひきつづき試みる予定である。
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