研究概要 |
体外循環光化学療法(フォトフェレーシス)は光化学療法とリューカフェーレシスとを組み合わせた治療法である。光化学療法としてはP枚VA療法を採用している。本法はアメリカ合衆国,ドイツ等の多施設共同研究により皮膚T細胞リンパ腫に対する有効性が証明されている。われわれは専用の機械を導入し,難治性疾患である成人T細胞白血病(ATL),皮膚T細胞リンパ腫,HTLV-I関連ミエロパチー(HAM),進行性全身硬化症(PSS)をはじめとする自己免疫疾患などに対して体外循環光化学療法を試みた。 まずフォトフェレーシスノ効果と副作用を正確に把握することを目的とした。効果発現機序については免疫学的な検討をおこなった。フォトフェレーシスの前後でリンパ球表面マーカーを指標として解析をおこなった。副作用については重篤なものはなく,時にみられた低血圧や消化器症状は一過性であった。 1)ATL患者に対するこの新治療のパイロット スタディは昭和63年5月から開始し全国で多施設の臨床治験をおこなった。一部の症例で皮疹の改善,リンパ球マーカーの改善が認められた。 2)PSS患者には8例試みた。2例に著明な効果がみられ約2年間治療を継続した。今後長期の経過観察をおこなう予定である。 3)HAM患者には1例試みた。著しい効果は認められなかった。
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