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1989 年度 実績報告書

多発性骨髄腫における特異的染色体異常とmyc、bcl2遺伝子再構成の関連

研究課題

研究課題/領域番号 01570692
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

谷脇 雅史  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80163640)

キーワード多発性骨髄腫 / 染色体異常 / がん遺伝子 / 14q+マ-カ- / bcl2遺伝子
研究概要

現在まで55例の形質細胞性腫瘍の染色体分析をおこなった。うち3例でbcl2遺伝子の再構成を検索した。
1.内訳は多発性骨髄腫51例、形質細胞性白血病(PCL)3例、形質細胞腫(PCM)1例である。
2.16例で染色体異常を検出した。(29%)。病期の進行した症例や特殊型で染色体異常の頻度が高く、体腔液貯留例では4/5、白血化例では3/3、PCLでは2/3、PCMでは1/1と、70〜100%の頻度であった。四倍体域の染色体異常は4例(異常例の25%)でみられ、おのおの胸水貯留例、白血化例、PCL、PXMであった。
3.骨髄血にPWMを添加する培養系で9例のIgG骨髄腫を分析した。2例でクロ-ン性の異常を検出でき、1例では非クロ-ン性の異常であった。いずれも短期培養では正常核型であった。LPSを添加する培養系では7例の骨髄腫を分析し、1例でクロ-ン性の染色体異常を検出した。この症例では数的異常だけがみられ、核型は54、XY,+3、+3、+6、+7、+11、+15、+16、+19であった。IL6を添加する培養系では5例の骨髄腫を分析したが、異常は検出できなかった。
4.構造異常は14q、6q、1q、1q、7q、11qに多く、おのおのが染色体異常に関与した回数は、9、7、6、5、5、5回であった。14qの異常は9例(染色体異常例の56%)でみられ、すべて14q32を切断点とする14q+であった。残りの構造異常の切断点は一定していなかった。
5.14q+のdonorは不明のものが多く5例、t(6;14)によるものが2例、t(14;18)とt(3;14)が各1例であった。
6.Bcl2遺伝子の再構成を3例(うち2例はdonor不明の14q+をもっていた)で検討したが、bcl2はgerm-lineであった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Taniwaki M.: "Correlation of chromosome abnormalities with clinical characteristics in thyroid lymphoma" Cancer. 63. 873-876 (1989)

  • [文献書誌] Taniwaki M.: "Chromosomal abnormalities define clonal proliferation in CD3-large granular lymphocyte leukemia" Am J Hematol. 33. 32-38 (1990)

  • [文献書誌] Taniwaki M.: "Long arm deletion of chromrsome 7 unrelated to original karyotype in recurrent t^*8;21) acute myeloblastic leukemia" Acta Haematol.

  • [文献書誌] Nishida K.: "Nonrandom rearrangement of chromosome 14 and band q32.33 in human lymphoid malignancies with mature B-cellphenotype" Cancer Res. 49. 1275-1281 (1989)

  • [文献書誌] Nishida K.: "Chromosome rearrangement,t(6;14)(p21.1;q32.3),in multiple myeloma" Brit J Heamatol. 71. 95-96 (1989)

  • [文献書誌] Nishigaki H.: "Distribution of breakpoint within cluster region (bcr) in chronic myelogeneous leukemia with a complex philadelphia chromosome translocation" Am J Hematol. 32. 194-199 (1989)

  • [文献書誌] 阿部達生: "進行がんの化学療法" 金芳堂(京都), 420

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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