研究課題/領域番号 |
01570706
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中條 俊夫 東京大学, 医学部, 教授 (70050367)
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研究分担者 |
金森 豊 東京大学, 医学部, 助手 (20221187)
田中 潔 東京大学, 医学部, 助手 (60155124)
岩中 督 東京大学, 医学部, 助手 (90193755)
橋都 浩平 東京大学, 医学部, 助教授 (50180815)
河原崎 秀雄 東京大学, 医学部, 講師 (60115475)
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キーワード | 部分肝移植 / 生体部分肝移植 / 肝移植 |
研究概要 |
本年度はdonor、recipient、輸血用に各々1頭ずつ、計3頭を1組として、5組15頭の日本猿をもちいて、生体部分肝移植の実験を行った。前年度に報告した方法を用いてdonorの肝左葉を右葉から冷温潅流しながら摘出し、back table operationで肝静脈、肝断端を形成した。recipientはポリウレタン製、ヘパリンコ-ティングの下大静脈貫通型の静脈静脈バイパスを用いて肝全摘を行いdonorの左葉を同所性にdonorに移植した。donorもrecipientも生存させ、donorは2週間後に解剖して残存肝の再生の状態を検討した。recipientは術後cyclosporineとmethylprednisoloneによる免疫抑制療法を行い血液、尿、胆汁を採取し、これの生化学的な検査を行った。死亡時に肝 脾、腎、膵、消化管の組織を検索した。 donorは1頭は術後2日に死亡した。4頭は2週目に解剖した。解剖時、肝切断面に周囲組織が癒着していた。肝の再生はこの時点では認められなかった。recipientは4例は各々252,60,110,72時間生存したが、1例は24時間以内に死亡した。24時間以内死亡例の死因は肝切断面よりの出血であった。48時間以上生存例の死因は、肝静脈の血流不全、下大静脈内の血栓、拒絶反応、であった。 この結果より、 1) 我々の考察した下大静脈貫通型の静脈静脈バイパスは有効であった。 2) 冷温潅流により肝左葉を切断することにより、グラフトのバイアビリティ-が保たれる。 3) donorの手術は安全に行われる。 以上の事が確認された。
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