研究課題/領域番号 |
01570727
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
山本 政勝 関西医科大学, 医学部, 教授 (30077573)
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研究分担者 |
平松 義文 関西医科大学, 医学部, 助手 (30173264)
高田 秀穂 関西医科大学, 医学部, 講師 (30131444)
山村 学 関西医科大学, 医学部, 講師 (60077732)
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キーワード | 多価不飽和脂肪酸 / Lewis肺癌 / 増殖 / 転移 / エイコサペンタエン酸 / リノ-ル酸 / プロスタグランディン |
研究概要 |
食餌性多価不飽和脂肪酸の化学発癌におよぼす影響を検討した結果、エイコサペンタエン酸(EPA、ω-3)は抑制的に、リノ-ル酸(LA、ω-6)は促進的に作用することが判明した、そこで今回、C57BL/6マウスの同系可移植腫瘍であるLeWis肺癌(3LL)の増殖と転移におよぼす食餌性脂肪酸の影響について検討した。〈方法〉10週令のC57BL/6マウスにEPAおよびLAのエチルエステルを5%の割合で半合成無脂肪食に添加した飼料(E食、およびL食)を作成してマウスを飼育した。3LL細胞は同形マウス皮下に増殖した腫瘍からコラゲナ-ゼ処理により遊離細胞とし、2×10^5個を同系マウス背部皮下に移植した。〈結果〉1.移植局所における増殖皮下移植後14日目の腫瘍湿重量はE食群368±194、L食群1233±685mgでE群で有為の抑制が認められた。また^3H^-tymidineの腫瘍内取り込み実験においてもF食群では161.2±82.2とL食群の359±76.9.dpm/μgDNAに比し有為に低値を示した。遠隔肺自然転移 皮下移植後の遠隔転移を肺転移結節数および肺湿重量において検討した。それぞれ、E食群2.7±3.4、187.2±89.5、およびL食群13.1±6.6個、394.8±138.8mgとE食群に有意の抑制が認められた。腫瘍組織の脂肪酸組成織 皮下移植3LL腫瘍中のリン脂質および中性脂質の脂肪酸組成はE食群ではω-6脂肪酸の減少、ω-3脂肪酸の増加が著明であった。4.腫瘍のプロスタゲランディン(PG_S)皮下移植後14日目に腫瘍組織中のPG_S(PGE_2、PGF^<2α>、6-keto-PGF_<1α>、TXB_2)を測定したところ、E食群では有意に低値を示し、それらの合成低下が明らかとなった。 以上よりEPAの3LL腫瘍の増殖と転移形成にPG_Sの関与が示唆される成績が得られた。
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