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1989 年度 実績報告書

ファイブロネクチンの複数の細胞結合ドメインと癌の転移との関係

研究課題

研究課題/領域番号 01570729
研究機関産業医科大学

研究代表者

久保村 滋夫  産業医科大学, 第一外科, 助手 (10205156)

研究分担者 平野 英保  産業医科大学, 生化学, 講師 (50040241)
東 監  産業医科大学, 生化学, 教授 (30028386)
大里 敬一  産業医科大学, 第一外科, 教授 (30037345)
キーワード細胞接着 / ファイブロネクチン / 癌の転移 / 細胞外マトリックス
研究概要

ファイブロネクチンには、細胞接着に関連したドメインが、4つ存在している。第一のドメインは、ーArgーGlyーAspーSerー(ーRGDAー)である。それよりカルボキシル末端側にある別の細胞結合ドメインは、8個のアミノ酸にまで絞り込まれている。さらに、第一のドメインよりアミノ末端側には、Synerーgistic Adhesion Site(SAS)と呼ばれるドメインがある。SASは、RGDSの細胞接着活性を非常に高める作用がある。しかし、このSASは、まだ小ペプチドの範囲まで絞り込まれていない。
本年度は、SASについては、Hydropathic Indexや、二次構造から解析して、SASの最小活性ペプチドの候補を、いくつか挙げた段階である。これより、これら候補ペプチドの合成にかかることろである。カルボキシル末端側の細胞結合ドメインについては、本年度、我々は、この8個のアミノ酸でできたペプチドを既に合成した。細胞接着阻害実験については、本年度は、まずファイブロネクチンとラミニンの各々の第一の細胞結合ドメインであるRGDSと、TyrーIleーGlyーSerーArg(YIGSR)を使用して行った。細胞は、肝癌、胃癌、膵癌等の培養細胞株を使用した。肝癌細胞では、RGDSは、細胞のファイブロネクチンへの接着を阻害した。ラミニンでも同様に、YIGSRは、肝癌細胞のラミニンへの接着を阻害した。膵癌の細胞では、YIGSRは、細胞接着活性を殆ど示さなかった。しかし、ラミニン蛋白自体は、膵癌細胞に対し接着活性を有しており、ラミニンでもファイブロネクチンと同様に、第一の細胞結合ドメイン以外に、複数の細胞結合ドメインが存在していることが示唆された。以上より、肝癌細胞においてはファイブロネクチンとラミニンの各々の第一の細胞結合ドメインは癌細胞の標的臓器着床を阻害できる可能性が有ることが示唆された。

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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