研究課題/領域番号 |
01570729
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
久保村 滋夫 産業医科大学, 医学部, 助手 (10205156)
|
研究分担者 |
東 監 産業医科大学, 医学部, 教授 (30028386)
平野 英保 産業医科大学, 医学部, 講師 (50040241)
大里 敬一 産業医科大学, 医学部, 教授 (30037345)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1991
|
キーワード | 細胞接着 / ファイブロネクチン / 癌転移 |
研究概要 |
ファイブロネクチンは、少なくとも4つ以上の細胞結合ドメインをもっている。そのうちの最初に発見されたドメインであるGlyーArgーGlyーAspーSer(GRGDS)は、Murineでの実験では、静脈注射するとB16ーF10メラノ-マ細胞の肺転移を抑制することが報告されている。今回の研究期間では、消化器癌においても上記のような活性を有するかどうかin vitroとin vivoの両面から検討した。 消化器系を含む各種の癌の細胞株を使用して、GRGDS及び他の細胞結合ドメインに関して、細胞接着阻害実験、ケモタキシス実験を施行した。癌の種類により使用する細胞結合ドメインの種類は、一部異なっており、活性の強弱にも相違を示した。 In vivoの実験では、ラットを使用した。尾静脈に、ラット肝癌細胞を1×10^6注射した。3週間後、ラットから肺を摘出した。肺表面に少数だが、コロニ-が認められた。これらを固定し、組織標本にて検討したところ、肝癌の転移コロニ-であった。しかし、肝癌細胞を静脈注射する時、ファイブロネクチンの第一細胞結合ドメインであるGRGDSを、ある一定濃度以上混注すると肺転移コロニ-は、認められなかった。統計処理すると、ラット肝癌細胞のみ静脈注射したコントロ-ル群と、GRGDSを混入して注射した群の間に有意差が認められた。さらに、他の癌についても検討中である。
|