研究課題/領域番号 |
01570733
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大内 清昭 東北大学, 医学部, 助教授 (20124555)
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研究分担者 |
岡部 健二 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00177073)
松原 修二 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (20165856)
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キーワード | 栄養管理 / 脂肪利用 / 肝硬変症 / 肝切除 / ラット / カルニチン / 肝エネルギ-代謝 / 肝網内系機能 |
研究概要 |
肝硬変症に対する肝切除術後の適切な栄養管理は肝不全などの合併症予防のためにも極めて大切である。肝硬変ラットモデルを用いた検討では、肝切除後早期の肝のエネルギ-基質は糖よりもむしろ脂肪となることを明らかとした。そこで外因性に投与された脂肪がエネルギ-源として利用されうるかどうかを^<14>C標識脂肪乳剤の呼気中^<14>CO_2回収率より検討した。肝切除後5%グルコ-ス30Cal/Kg/日投与群(I群)、5%グルコ-スに20%脂肪乳剤(200Cal/Kg/日)投与群(II群)、さらにII群にカルニチン250mg/Kgを併用投与した群(III群)を設定した。肝切除12時間後に^<14>C標識脂肪乳剤を投与し、5時間後の^<14>C累積回収率はI群では対照(非切除)の40%に対して22%と抑制されたが、II群28%、III群37%と増加がみられた。肝ATP量はI.II.III群の順に高値を示し、血中β-ハイドロキシ酪酸濃度もIII群で高値を示した。また脂肪乳剤の適正配合比を明らかにするため、20、30、40%の配合比間で^<14>CO_2Cの回収率を検討したところ、30%群が高値を示し、脂肪の適正配合比があるものと思われた。以上のことより、硬変肝切除後早期には、脂肪の利用が一部抑制されるもののかなりよく利用されることを認めた。また、II群での肝カルニチン濃度はI群の755nmol/g肝に比し524nmol/gと低下しており、長鎖脂肪酸がエネルギ-源として利用れれる際にはカルニチンが重要な役割を果すことが明らかにされた。さらに、投与された脂肪が肝網内系に取り込まれ、網内系機能低下を招来するかどうか、^<59>Fe標識コンドロイチン硫酸鉄を用いた網内系貧食指数K値より検討した。肝切除24時間後のK値は、I群0.0052に対して、II群0.0035、III群0.0048とIII群でI群に近似した値が得られ,脂肪の利用亢進により網内系機能障害が軽減されることが明らかにされた。 臨床例においても術後脂肪がよく利用されるとの結果を得ているが、さらに症例を重ね検討中である。
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