研究課題/領域番号 |
01570738
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
林 春幸 千葉大学, 医学部, 助手 (00218588)
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研究分担者 |
田畑 陽一郎 千葉大学, 医学部, 助手 (30163653)
平良 眞規 千葉大学, 医学部, 助手 (60150083)
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キーワード | ハイブリッド型人工肝 / 肝特異遺伝子 / cーmyc / 初代培養肝細胞 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
培養肝細胞における肝特異遺伝子の発現を検討した結果、培養初期に肝特異遺伝子の発現が抑制されることが明らかとなった。この変化は、培養条件を種々変更しても認められることより、肝細胞を肝組織より分離し培養系に移したことにより、なんらかの増殖機転がはたらいたためではないかと考えられた。そこで培養細胞における肝特異遺伝子の発現を高く保つためには、培養系において生じている増殖機転の原因を解析し、組織内における肝細胞と同様、細胞増殖の静止期にある培養系を確立することが重要であると考えられた。 ヒトをふくめ成熟した哺乳動物の肝細胞は細胞増殖の静止期、すなわちG_0期にあると考えられている。この細胞が部分肝切除などの増殖刺激をうけると、細胞周期のG_1期に移行する。肝細胞においてG_0期から細胞周期への移行時に特徴的に認められる変化として、cーmycの一過性の発現誘導が知られている。ところが培養肝細胞では培養開始後数時間からみとめられるcーmycの発現が、再生肝と異なり高レベルに維持されていることが認められた。この原因を細胞内の増殖シグナル伝達の面から解析したところ、培養細胞においては、phosphatidylinositol代謝回転から、細胞内の遊離カルシウムの上昇に至るシグナル伝達系が活性化しており、このことがcーmyeの発現増大を維持している可能性が示唆された。
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