1.各種BRM_sの術前経内視鏡的胃癌腫瘍内投与randonized contorol studyの解析 今年度はBRM_sのうちOK-432を用いたtrialの解析をおこない以下の結論が得られた。 (1)組織学的解析の結果:腫瘍内侵潤リンパ球の高度なものが予後良好でかつこれらの症例においては第2群以上のリンパ節転移が抑制され、転移率が対照群に比し5〜10%低下し、転移度が著明に減少していた。BRM_sの術前腫瘍内投与の意義はリンパ節再発の予防にあると考えられた。 (2)免疫パラメ-タ解析の結果:術前のリンパ球数が多く、かつ、皮内反応高値例において予後の改善が見られる傾向にあった。皮内反応では投与前後における変動重要でSuPS皮内反応で陽転例、陽性不変例、陰性不変例、陰転例の順に予後が良好であった。 (3)HLA class Iの検討結果:対象例のうち2年以上生存例においてHLA class Iを検討してみた結果、SuPS反応陽性例はA_2、Bw_<51>保有例に多く、前後で陽転化するものはA_<11>保有例に多かった。また、組織学的所見と対比すると予後良好であった。OK-432局注群のリンパ球浸潤高度群ではA_<11>保有率が有意に高率であった。 2.responderと考えられた対象患者のリンパ球機能検査 (1)各種BRM_s添加培養上清サイトカインの測定およびリンパ球細胞障害活性の測定の結果:現在、胃癌症例を中心に検討中であるがγ-INF産生能とNK活性の間に相関がみられたがTNF産生能の間には相関が得られていない。いずれも検討症例が少数でありHLA typeとこれらcytokine産生能、細胞障害活性の検討は来年度に症例を増やし検討していく。
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