研究概要 |
今年度の研究の主眼はBRM投与症例における至適パラメ-タの検索およびそれらの臨床応用への検討にあった。投与症例の検討は関係機関の協力を得て全国レベルでおこなった。 1.BRM投与における至適パラメ-タの検討 研究者らの属す癌免疫外科研究会宿主要因検討委員会のアンケ-ト調査(昭和58、59年度胃癌症例を対象)によりT.P≧5.9,Alb≧4.0,Ly数≧1200(術前値)がBRMの至適投与条件と想定された。 2.PSK腫瘍内投与の解析 PSKの術前腫瘍内投与により1年生存率87.6%と、control群の74.5%にくらべ有意に良好であった。本治療法はOKー432同様リンパ節転移率を低下させていた。腫瘍増殖局所所見につき組織学的検討中であるがnaturalな反応としての局所浸潤リンパ球の多少により治療効果の差が予想された。 3.BRMを用いた末梢血リンパ球の添加培養によるスクリ-ニングOKー432,PSK,MYー1等のBRMの患者末梢血リンパ球の添加培養上清中のγーIFN産生量、TNF産生量は癌の進行度によらず患者により差をみとめた。NK活性、LAK活性の上昇もみとめ、これらの上昇はγーIFN産生量との正の相関をみとめた。また、これは3種の皮内反応(PPD,SuーPS,OKー432)のスコア-と相関をみとめ皮内反応がスクリ-ニングに有効と考えられた。 以上の成績をふまえ、癌免疫外科研究会を母体に胃癌症例を対象に免疫パラメ-タ(宿主要因)を再検討する目的でBRM至適投与に関する研究を本年5月スタ-ト予定としている。
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