研究概要 |
研究成果をin vivoとin vitroの二種に大別し,以下に要約して述べる。 (1)in vivo実験 Kupffer細胞とエンドトキシンをin vitroの系でインキュベ-ションし、これで得られた上清を超遠心にかけ,上清中エンドトキシンを可能な限り除去した。この上清を経門脈的に持続投与(120分)し、胆汁中胆汁酸および血中胆汁酸分析を行ない、またトランスアミナ-ゼ、ビリルビン値の推移を投与前,60分,120分,240分,12時間,24時間,48時間,72時間の時点での測定値の変化から検討した。胆汁中胆汁酸値の推移は、240分以後で硫酸抱合型のそれが増加する傾向を示し,24・48時間で有意な高値を示したが,72時間値は前値と有意差がなかった。血中胆汁酸値の推移は、12時間以後でケノデオキシコ-ル酸およびコ-ル酸の上昇を認め、前者については硫酸抱合型,タオリンないしグリシン抱合型のいずれもが上昇し、後者についてはタオリンないしグリシン抱合型のそれが上昇した。しかしいずれも72時間値は前値と有意差がなかった。トランスアミナ-ゼ値・ビリルビン値は12ー48時間値で弱干の上昇傾向を生じ、72時間で正常値化した。門脈注入に用いた上清に対するconventionalな抗血清を得、あらかじめ上清とin vitroでインキュベ-ションした後に、門脈内投与すると上記変化は一般に軽度化したが、濃度依存性反応の有無の確認については充分な結果を得ていない。 (2)in vitro実験 Kupffer細胞とエンドトキシンのインキュベ-ションで得られた上清をあらかじめ、TNF,ILー1,ILー6および上記のconventionalな抗体で前処理すると, ^3Hーleucine incorporation,cytotoxity(分離肝細胞を対象)の変化は抑制された。 電顕的検討は,双方の実験で進行中で結果を述べるに到達していない。
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