1.担膵癌ヌ-ドマウスでの血中SPan-1抗原測定による膵癌早期診断の検討。 膵癌細胞capan-2をヌ-ドマウス皮下に注射後、血中SPan-1抗原値の推移について6週目まで経週的にさらに腫瘍摘出後も検討を行った結果、腫瘍が肉眼的に認められない1週目において既に血中SPan-1抗原値の上昇が認められ、その後腫瘍の増大と相関して高値が認められた。一方、腫瘍摘出後は速やかに血中値の減少がみられ、再発によって再上昇がみられた。これらのことより血中SPan-1抗原の測定は膵癌の早期診断および治療効果の判定、モニタ-リングに有用であることがin vinoで確認された。臨床例では膵癌患者全体では約90%の陽性率がみられたが、早期例は未だ十分の症例数がえられず現在検討中である。 2.Nd2抗体の膵癌imaging診断への基礎的検討。 非分泌性膵癌関連抗原を認識するモノクロ-ナル抗体Nd2抗体を用いて、膵疾患(膵癌、慢性膵炎)、正常膵を対象として免疫組織学的検討を行った結果、膵癌で約80%の陽性率が認められたのに対して慢性膵炎、正常膵ではその発現はみられず、本抗体の膵癌特異性の高いことが判明した。125-I標識Nd2抗体を作製、in vinoでの体内分布をみるために担膵癌ヌ-ドマウス(SW1990細胞)に投与しその腫瘍集積性の検討を行った結果、経日的に集積性は高くなり、7日後には腫瘍/血液比は10倍以上を著明な上昇が認められた。さらに臨床応用にむけて111-In標識Nd2を作製して、担膵癌ヌ-ドマウスをモデルにピンホ-ルコリメ-タ-を用いてイメ-ジングを行った結果、投与4日目には腫瘍に一致した良好なイメ-ジングがえられた。今後臨床例における検討を行う予定である。
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