研究課題/領域番号 |
01570766
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
都築 俊治 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80051192)
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研究分担者 |
田辺 稔 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50197513)
宮沢 光男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20200165)
新井 洋明 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30184261)
上田 政和 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50142419)
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キーワード | 肝硬変併存肝癌 / 広汎肝切除 / 残存予定肝領域 / 肝予備能 |
研究概要 |
大きな肝硬変併存肝癌に対しては広汎肝切除が唯一の治療法であるが、術後肝不全への懸念から差し控えられることが多い。しかしながら広汎肝切除を乗り切れば長期生存例になり得ることも判明している。 われわれは1979年以来術前に残存予定肝領域の肝静脈血流量とよくG除去量の測定を行って広汎肝切除に耐え得る患者を選択し、術後肝不全を激減せしめ得たが、二本のカテ-テルを使用する関係上操作がやや繁雑な点に問題があり、簡単で正確な方法を開発する必要性を痛感していた。そこでinjection thermisterとdilnfion thermisterが一本のカテ-テルに納められているwebster社製CCS-7U-90Bカテ-テルを使用して8名の患者について測定を試みた。その結果カテ-テルが一本であるので頸部の静脈から挿入できるようになり、これまでの半分の時間で検査を終了できるようになった。また二本のカテ-テルのずれによる測定値の誤差もなくなり、パソコンによる自動計算も加わって、再現性の高い測定値が得られるようになった。3例に肝切除を行ったが、2例は肝不全をおこすことなく広汎肝切除に耐えた。1例はこの検査によって右葉切除に耐え得ないと判断し、TAEに切り替えた。その結果腫瘍の縮小がみられたので部分切除を行い、腫瘍の除去を行い得た。 更に検査の簡便性を高めるためにDoppler法による肝静脈血流量の体外測定法を検討しているが、この方法は現在の装置では静脈径の測定値の再現性に乏しく、さらに解像度の高い器械が必要であることが明らかになった。
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