研究課題/領域番号 |
01570766
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
都築 俊治 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80051192)
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研究分担者 |
田辺 稔 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50197513)
宮沢 充男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20200165)
新井 洋明 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30184261)
上田 政和 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50142419)
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キーワード | 肝硬変併存肝癌 / 広汎肝切除 / 残存肝予定領域 / 肝予備能 |
研究概要 |
広汎肝切除後の肝不全を予知する目的で、残存予定肝領域の肝予備能を肝静脈血流量とICG除去量を指種として測定、評価しているが、前年度に引続いて13名の患者について検索した。 肝切除を目的に慶應義塾大学病院外科に入院した患者13名に対して、Webster社製CCSー7uー90Bカテ-ルを使用して残存予定肝領域の肝静脈血流量とICG除去量の測定を行った。B例の内訳は原発性肝癌6例、胆裏癌1例、肝門部胆管癌1例、肝血管腫1例、転移性肝癌4例である、このうち肝切除が行われたのは 例(拡大右葉切除3例、拡大左葉切除1例、肝部分切除3例)である。これら7例と昨年度に肝切除が行われた10例について残存肝予備能と術後肝不全との相関について検討した。術後肝不全で死亡した例になかったが、3例に難治性腹水の発生、脳症状発現などの肝機能悪化症状がみられた。これら3例の肝機能悪化例と肝後経過良好例を比較したところ、下記のような差達が明らかになった。 1.残存予定肝領域の肝静脈血流量及びICG除去量は肝機能悪化例ではそれぞれ230.7±54.7ml/min.0.072±0.033mg/minで、術後経過良好例の531.1±193.3ml/min、0.263±0.181mg/minよりも有意に低値であった。 2.従って残存予定肝領域の肝静脈血流量300ml/min以下、ICG除去量0.1mg/min以下の成績がみられた患者では、肝切除後著明な肝機能悪化がみられる可能性大である。
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