研究課題/領域番号 |
01570775
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
羽根田 潔 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (90111286)
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研究分担者 |
東郷 孝男 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00188707)
田林 晄一 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90142942)
伊東 孝 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (30111272)
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キーワード | Fontan手術 / Cardiomyoplasty / 右心機能補助 / 有茎骨格移植 / 抗疲労性骨格筋 |
研究概要 |
(1)有茎広背筋による右心機能補助効果の評価、(2)骨格筋の抗疲労性化の検討、(3)Fontan手術のモデル作成の3点について実験研究を行った。 (1)有茎広背筋による右心機能補助効果の評価 有茎広背筋を右房壁に縫着し、広背筋ペ-シングによる右心機能補助効果について検討した。自己心拍の影響を除く為、洞房ブロックを作成し、右房ペ-シング時と右房および広背筋ペ-シンク時の血行動態を観察した。その結果広背筋ペ-シング時に体血圧の有意の上昇はみられなかったものの、心拍出量は10〜15%増加し、広背筋ペ-シングによる右心機能補助効果が確認された。 (2)骨格筋の抗疲労性化の検討 長期間にわたる有茎広背筋ペ-シングによる右心機能補助の為には、広背筋を抗疲労性骨格筋に変化させる事が必要である。広背筋刺激用の植込み型ペ-スメ-カを自作し、持続的ペ-シングによる筋のトレ-ニングを行った。ペ-シング期間1ヵ月、3ヵ月の病理組織標本を作成し、骨格筋構造の変化について現在検討中である。 (3)Fontan手術のモデル作成 本研究ではFontan手術の適応拡大の為、まずFontan手術のモデルを作成し、次いで有茎広背筋を右房壁に縫着し、(1),(2)の研究結果を踏まえて右心機能補助を行う事が最終目標となる。単純低体温下に三尖弁を縫合閉鎖し、右房一肺動脈管の導管作成によりFontan手術を行った。実験犬は低体温麻酔、手術操作に十分耐え、Fontan手術モデルの作成に成功したが、低心拍出量症候群の為に長期生存犬を得る事はできなかった。そこで三尖弁の半閉鎖による三尖弁狭窄を作り、二期的手術により三尖弁の完全閉鎖を行い、長期間生存可能なFontan手術モデル作成を目指して三尖弁狭窄犬を作成し、現在完全閉鎖を行うべく待期中である。
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