| 研究課題/領域番号 |
01570775
|
|---|
| 研究機関 | 東北大学 |
|---|
研究代表者 |
羽根田 潔 東北大学, 医学部医学部附属病院, 助教授 (90111286)
|
|---|
| 研究分担者 |
東郷 孝男 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00188707)
田林 晄一 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (90142942)
|
|---|
| キーワード | Fontan手術 / Cardiomyoplasty / 右心機能補助 / 有茎骨格筋移植 / 抗疲労性骨格筋 |
|---|
| 研究概要 |
前年度の研究結果をもとにして、(1)Fontan手術モデルの作成、(2)Fontan手術前後の血行動態の変化、(3)有茎骨格筋によるFontan手術に対する右心機能補助効果、について検討を加えた。
Fontan手術モデルは、常温下に上下大静脈を一時的に閉塞して右心房を切開し、三尖弁に巾着縫合糸をかけ、右房ー肺動脈吻合後に三尖弁の巾着縫合を締める事によって作成する事ができた。
Fontan手術前後の血行動態……正常循環からFontan循環に移行すると体血圧は約70%に低下し、心拍出量も1/2〜1/3に減少した。肺血管抵抗値は約2.5倍に上昇した。この血行動態が右心室の駆出力を利用しないFontan手術の本質であり、本手術の適応を拡大して肺血管抵抗の高い症例に本手術を施行する際には、何らかの右心機能補助が必要である。
有茎骨格筋によるFontan手術に対する右心機能補助……有茎の広背筋を左室後側面から右室前面に巻きつけるようにして固定し、Fontan循環にした後、心室の収縮に同期させて広背筋にburst stimulationを行なった。広背筋刺激により、体血圧は約30%上昇し、心拍出量も約70%増加した。肺血管抵抗値は40%前後に低下した。骨格筋刺激により著明な右心補助効果は見られたものの、正常循環に比べると心拍出量は依然60%前後であり、肺血管抵抗値も30%前後高値であった。
これらの研究の結果、Fontan手術は正常循環に比し極めて不利な血行動態である事が判明した。有茎骨格筋による右心機能補助は有効であったが、より有効な補助効果を得る為には今後更に実験を重ね、骨格筋の移植部位やburst stimulationの様式の検討、骨格筋の抗疲労性骨格筋への変換など多岐にわたる研究が必要である。
|
