研究課題/領域番号 |
01570776
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三井 利夫 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (60010170)
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研究分担者 |
筒井 達夫 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (50112868)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | Signalーaveraged ECG / filtered QRS / Root Mean Squave Total(RMST) / 補助循環 / IABP / 導入と離脱 / 左心重量 / 活動心筋量 |
研究概要 |
【filtered QRSの特性】(1)RMSTは術後心筋障害の指標となるうると考えられた。(1)術後CPKーMBの最大値と体外循環離脱時のRMSTは逆相関した。(2)成犬15頭を用いた心筋障害モデルでも逆相関した。(2)RMSTは左室の興奮心筋量を反映していると考えられた。大動脈弁膜症(左室負荷)群と僧帽弁狭窄(非負荷)群の比較では、左心重量が大きい前者のRMSTが有意な高値を示した(P<0.05)。(3)高齢者ほどRMS_<40>は低下する傾向を示し、術中での不整脈発生の原因の1つと考えられた。(4)カテコラミンに対するRMSTの反応に特異性がみられた(ラット)。α刺激剤投与ではRMSTは一過性に上昇し、α遮断剤、β遮断剤ではRMSTは低下した。【術後重症度とfiltered QRS】(1)術後RMS_<40>の低値と術後VTの発生に相関がみられた。即ち、術後RMS_<40>が低い症例ではVTの発生の確率が高いことが予測された。(2)術後のRMSTは心機能を反映した。術後ノルアドレナリンを使用の有無でRMSTを比較する(術前を100%)と、非使用例(N=19)では90±27%、10μg/kg以上使用例では57±32%であり、有意の差がみられた(P<0.001)。IABP使用例では49±13%とさらに低値を示し、臨床的な心不全の程度が強い程、RMSTは低値を示した。【補助循環法とRMST】IABP症例の15例のうち、離脱した9例では、RMSTは47±15%(導入時)から83±15%(離脱時)に上昇したが(P<0.005)、離脱不能の5例では34±15%(導入時)から24±12%(最終値)まで低下し、回復をみなかった。このことは、補助循環中にRMSTの上昇を示す症例は離脱が期待できることを示す一方、上昇を示さない症例では心補助法の再検討を要すると考えられた。【心停止中の微小電位】(1)開心術の心停止中の微小電位は、経時的に形状が変化し後方に延長する傾向を示した(延長電位)。局所の興奮が近傍に伝達することが延長電位の原因と考えられ、形状の変化は心筋保護の良否を示す可能性がある。
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