研究課題/領域番号 |
01570781
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
加藤 弘文 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20111974)
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研究分担者 |
朝倉 庄志 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90222570)
森 渥視 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80026971)
岡田 慶夫 滋賀医科大学, 医学部, 副学長 (10106825)
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キーワード | 癌リンパ節転移 / リンパ行性制癌剤投与 / タ-ゲッテイング / 担体 / ポリ乳酸 / アクラシノマイシン |
研究概要 |
癌のリンパ行性転移を制御する経リンパ行性制癌剤投与法の至適薬剤としてアクラシノマイシン含有ポリ乳酸マイクロスフェア-(ACRーMS)を開発した。各種投与法の差異を臨床的ならびに実験的に検討し、より臨床的に有用な方法を選択、確立する。 〔臨床〕アドリアマイシンのリンパ行性注入臨床例の集積のなかから、注入薬剤量の増量も抗腸瘍効果増強にとって、重要であることが判明した。それゆえに、注入手術の改良として、翼状針を使用すると、大きな注射器で5cc以上の注入が可能であることがわかった。 胸膜下リンパ管内注入法には、直接肺静脈へ流入する場合があるという難点が見られた。すでに他の臓器で、同じ担体が臨床応用されているものの、すべて体静脈ないし塞栓術施行の動脈系のみである。それゆえ、胸腔内注入、リンパ節内注入、結合織内注入を重点的におこなうこととなった。結合織内注入として、ACRーMS使用の前段階としてACR単独注入を乳癌症例で行った。経静脈投与にくらべて高濃度の薬剤のリンパ節内移行が確認された。さらに注入部位の乳腺結合織においては組織変性などの変化はなく、副作用も見られなかった。 癌性胸膜炎の症例にACRーMSを投与し、良好な結果を得ている。 〔実験〕傍リンパ結合織内注入もポリ乳酸のリンパ指向性により、簡便な投与手技で、リンパ管への効率よい薬剤移行がえられている。 癌腫により、薬剤の制癌効果が異なり、免疫学的問題を扱うのには、この家兎のモデルでは不適当であることが判明した。より多角的に検討するために、経済性の点からも、ラットの癌リンパ節転移モデルを開発し作成した。
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