研究課題
1.骨格筋を用いた心機能補助における骨格筋の耐疲労性獲得を目的として、低頻度の電気的トレ-ニングを施行し、骨格筋における変化を画像解析を用いて組織学的に検討した。家兎の右座骨神経に刺激電極をおき、低頻度連続電気刺激を平均15.3日間施行した後、右下腿筋群を実験群とし、対側を対照群とした。重量測定、腓腹筋のATPese染色を施行し、日本アビオニクス社製高速粒度分布計測装置を用いて筋線維組成及び形状に関して2次元的解析を施行した。10Hz、2週間の電気的コンデェショニングは骨格筋の筋線維組成を変化させた。すなわち、筋重量の減少、耐疲労線維の増加、線維の断面積の縮小、及び筋線維の円形化が認められた。これは好気性代謝の増加を示唆し、骨格筋移植を用いた心機能補助に際して耐疲労性獲得における電気的トレ-ニングの有効性が示された。2.広背筋を心機能補助を目的にグラフトとして用いる時、胸背動静脈以外の血行の遮断を要する。よって急性期には血行が低下し駆動に敵するとは言い難い。血行ネットワ-ク形成期間決定の為の指標を得る為に先ず、非駆動時の骨格筋グラフトの組織血流量をレ-ザ-組織血流量計を用いて計測した。組織血流はグラフト先端部の低下を示し、急性期におけるグラフト先端部の心機能補助能力は相対的に低下していると考えられた。又レ-ザ-組織血流量計は血行ネットワ-ク形成の評価の指導となると考えられた。以上筋線維の耐疲労性獲得、及び血流量の2点より、骨格筋の能力の向上を目的に研究をすすめている。
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