研究概要 |
動脈瘤のガラスモデルを用いてin vitro simulatorを作成し、動脈瘤の血管内治療のシュミレ-ションをビデオカメラを用いて観察解析を行っている。 本年度は前年と同様に人間における内頚動脈,脳底動脈に生じる巨大動脈瘤モデルをガラスにより作成し、水流ポンプにて人工血流の還流を行い、血流を生じさせながら、動脈瘤内腔の圧変化の計測を行っている。この計測とバル-ンカテ-テルを組み合せることによりバル-ン閉塞後の動脈瘤内の圧変化が計測可能となった。 これによるとバル-ン閉塞後残存した腔では圧は、全身血圧より50mmHg程度上昇していることが判明した。これはバル-ンによる動脈瘤内閉塞時に遺残する腔が存在したりすると動脈瘤破裂を来す可能性があることを示唆している。 さらに複数個のバル-ンを使用した場合に互いのバル-ン間に生じる間隙の圧も同様に計測可能であり、軽度ながら上昇がみられた。これらの所見から動脈瘤をバル-ンで閉塞する場合は遺残スペ-スをなるべくつくらないようにすること、あるいはスペ-スが生じた場合は必ず他の物質により充填しておく必要があることが判明した。 さらに現在このバル-ン閉塞後の残存腔を充填する物質の検索を行っており、金属コイルが有用であることが判明した。また、液体塞栓物質についても検索を行っている。 これらの成果の一部は、第18回神経放射線研究会で報告した。
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