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1990 年度 実績報告書

遺伝子導入と超誘発法による内因性インタ-フェロンの誘導と悪性脳腫瘍への治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 01570807
研究機関名古屋大学

研究代表者

吉田 純  名古屋大学, 医学部, 助手 (40158449)

キーワードインタ-フェロン / 脳腫瘍 / モノクロ-ナル抗体 / リポソ-ム / 遺伝子療法
研究概要

われわれは悪性脳腫瘍細胞内にインタ-フェロンを生成させ、それによって腫瘍細胞に対する増殖抑制ないし殺細胞の効果をあげ、治療に応用したいと考えて研究を進めている。昨年度は超誘導法により誘導された腫瘍細胞由来のインタ-フェロンが各種の腫瘍細胞に対し強い殺細胞効果を有することを明らかにした。
本年度はヒトβ型インタ-フェロン遺伝子を八木らが開発した遺伝子導入効率の高い陽性荷電を有するリポソ-ムを用い、ヒトgliomaのU251ーMG細胞に遺伝子を導入したところ、細胞内にβ型インタ-フェロンが生成し、培養液内に放出された。この場合、著しい細胞増殖抑制作用が認められたが、その作用はβ型インタ-フェロンの抗体で中和されないことから細胞内のインタ-フェロンの作用にもとづくものと思われる。しかも細胞抑制作用は外から作用させた線維芽細胞由来のインタ-フェロンにより有意に高かった。こうした結果は他のグリオ-マ細胞、SKーMGー1、SKーMG4、U251ーMG、U251ーSPおよびT98型細胞についても同様に観察された。さらにわれわれが作製したヒトglioma関連抗原に対するモノクロ-ナル抗体を結合させたリポソ-ムを用いて遺伝子導入を試みたところ、β型インタ-フェロンの発現がヒトglioma細胞に選択的に増加し、当glioma細胞に対し増殖抑制作用がさらに増強された。以上の結果よりβ型インタ-フェロン包埋抗体結合リポソ-ムを用いることにより、ヒトglioma細胞の増殖を選択的に抑制するインタ-フェロン遺伝子療法が悪性脳腫瘍の治療に有効であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Masaki Mizuno: "Growth inhibition of glioma cells transfected with the human βーinterferon gene by liposomes caipled with a monoclonal antibody" Cancer Research. 50. 7826-7829 (1990)

  • [文献書誌] Masaaki Mizuno: "Growth inhibition of glioma cells of different cell lines by human interferonーβ produced in the cells transfected with its sehe by means of liposomes" J Clin.Biochem.Nutr.9. 269-273 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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