研究課題/領域番号 |
01570810
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学部, 助手 (00201046)
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研究分担者 |
加藤 天美 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
森本 一良 大阪大学, 医学部, 講師 (50116117)
早川 徹 大阪大学, 医学部, 助教授 (20135700)
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キーワード | 脳虚血 / 微小循環 / 赤血球 / 血漿 / 血小板 / 白血球 / 高血圧 / SHRSP |
研究概要 |
1.血漿灌流および赤血球灌流障害の検討。 砂ネズミ後交通動脈閉塞モデルにおいて、DTAFおよびTRITC二重標識血液をもちいて微小循環障害の経時的変化を観察した結果,海馬の微小血管血漿灌流率は虚血30分後から3時間にかけ徐々に低下するのに対し、赤血球灌流率は虚血30分後より低下することが明らかとなった。また虚血巣付近では赤血球の円柱集積がみられ、虚血急性期における赤血球循環障害の重要性が示された。 2.血小板あるいは白血球灌流異常の検討。 ラット中大脳動脈閉塞モデルにおいて標識血漿法にて微小循環を観察し、また同一切片において抗血小板抗体および抗白血球抗体を用いた酵素抗体法をおこない、虚血巣における両血球成分の動向を検討した結果、いずれも虚血巣に集積する傾向を認めた。しかしその特異性、検出感度についてはなお検討を要し、定量的評価をおこなうには至っていない。 3.高血圧症ラットにおける微小循環の検討。 脳卒中易発症性自然発症高血圧ラットの脳内各部位の灌流微小血管総長(TMVL,mm/mm^3)を定量し、その母系統である正常ラットのそれと比較した結果、脳内のほとんど全域にわたり前者でTMVLが低下し、とくに大脳基底核や海馬で高度に低下することが明らかとなった。大脳皮質では中等度の低下がみられた。このような結果は高血圧患者では単に大血管系の病変のみでなく、また微小血管系の形態学的変化のみでなく、微小血管系の灌流障害がもたらされていることを示唆しており、血管性痴呆などの病態解明のうえで大きな意義を持つものと考える。
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