研究概要 |
平成2年度も、当初使用予定のマウスモノクロ-ナル抗体HG4とHE2に代わってヒト型モノクロ-ナル抗体CLNーIgGを優先的に用い、交付申請書に示した研究実施計画とほぼ同様の実験を施行した。 しかし、本年度はRIを結合させない形でのモノクロ-ナル抗体の腫瘍増殖抑制効果の実験に主体をおき実験を行った。また、動物モデルとしては昨年度より引き続き悪性グリオ-マ細胞Uー87MGの皮下移植ヌ-ドマウスを用いたが、本年度はさらに小児に発生する悪性グリオ-マに匹敵する代表的な悪性脳腫瘍である髄芽腫細胞TE671の皮下移植ヌ-ドマウスモデルも使用した。結果は、悪性グリオ-マに対すると同様に髄芽腫に対してもこのCLNーIgGが腫瘍増殖抑制効果をもつことが明らかになった。腫痛増殖抑制効果の詳細なる観察には動物用核磁気共鳴装置が極めて効力を発揮し、病理組織学的検索と対比させることによる腫瘍の中心壊死増強効果を改めて確認することができた。昨年度より行っている抗腫瘍効果に関連する免疫学的パラメ-タ-の検索に関しては、NK活性の強い関与を再確認することができた。 平成3年度は、このCLNーIgG抗体と本来目的としたHG4,HE2抗体に化学療法剤を結合させた形でさらに腫瘍増殖抑制効果の発揮を観察する予定である。
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