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1990 年度 実績報告書

ヒト肩関節腱板の老化・変性に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570849
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

小川 清久  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20102832)

研究分担者 山田 治基  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40146626)
キーワード肩腱板 / 変性 / ゲラチン分解酵素活性
研究概要

前回、変性腱板中に分子量約25KDのゲラチン分解酵素が存在すること、この酵素は各種合成インヒビタ-により阻害されること、また抗ヒト好中球エラスタ-ゼにより中和されることにより、セリン系酵素である好中球エラスタ-ゼと同定されたことを報告した。
今回、ゲラチン分解酵素が、どのように腱板の変性に関与しているのかを明らかにする目的で以下の実験をした。対象は、剖検時に採取した(1)40才未満(2)40ー59才(3)60才以上の腱板である。方法は、それぞれについてゲラチン分解酵素活性およびトリプシンに対するインヒビタ-量を測定した。測定法は、fluorescein isothiocyanate(FITC)で標識したゲラチンを基質としたエタノ-ル分画法である。結果は、非断裂例ではゲラチン分解酵素活性は、若年者より加齢的に増加し、40ー59才群で最も高く、高齢になるにしたがい低下した。一方トリプシンに対するインヒビタ-量は、ゲラチン分解酵素活性にほぼ逆相関した。
今回の実験結果、および本酵素がエラスチンのみならず腱板の主構成分であるコラ-ゲンの分解産物をさらに分解・低分子化する酵素であることから、ゲラチン分解酵素が腱板の変性、すなわち最も本酵素の活性が高い40ー59才を好発年齢とする肩関節周囲炎,腱板断裂などに密接な関係があると推測された。以上を本年度第6回日整会基礎学術集会で発表する予定である。今後さらに、各年齢群を変性の程度で分け(山中の分類)、それぞれについてのゲラチン分解酵素活性を測定し、また変性に関与すると考えられる他の酵素(コラ-ゲナ-ゼ,プラスミノ-ゲン・アクチベ-タ-)についても検討する予定である。

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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