研究概要 |
Arレ-ザと高速度シャッタ-を有したビデオ機器の画像精度,感度の改善により実時間法ホログラフィ干渉法の再生像も,より鮮明度,解像度の高い再生像が得られるようになった.これにより,前年度にまして軟骨の経時的な変化を鮮明に捕らえることが出来るようになった.特に,生理食塩水内での軟骨や湿潤骨の変化の計測では,光学系に上に述べたような良好な条件を整えずに計測することは不可能であった. さらに,軟骨の変形計測については表面が光に対して半透過性であるため,そのままでも一応の画像を得ることが可能であるが,細かい挙動は捕られず,表面の反射率を向上させる目的で,軟骨表面のコ-ティングを要求した.ただし,軟骨組織と周囲との水の出納の低下による軟骨本来の特性を損ねないよう,塗装部は極力最小限にとどめた. 以上の,条件下に正常の膝関節,股関節の軟骨に加えられた外力下での挙動特性について計測し,その結果を学会に報告した.また軟骨に欠損が存在する場合や,軟骨の形状の違いと発生する変形の違いを観察し報告した. 一方創外固定の変形計測も引続き行い,各種創外固定器の問題点や,同一の創外国定器での着装手技による固定力の変化をも比較検討した. さらに,ホログラフィ干渉法は外力が加わった部位の周辺に発生する計測が不可能であることが以前より問題点として挙げられていた.今年度後半の軟骨実験からはこの欠点を補う目的で,荷重装置を改良作成し,外力下に発生する垂直方向への変位変位量計測をも同時に計測可能とし,目下引続き実験中である. 仮骨形成の動物実験は現在試験的実験中であるが,引続き研究を続行する予定である。
|