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1991 年度 実績報告書

呼吸不全患者における呼吸仕事量軽減のための新しい人工換気様式の開発

研究課題

研究課題/領域番号 01570860
研究機関名古屋大学

研究代表者

武澤 純  名古屋大学, 医学部, 講師 (20116057)

研究分担者 木村 智政  名古屋大学, 医学部, 講師 (50161568)
島田 康弘  名古屋大学, 医学部, 教授 (50028669)
キーワード呼吸不全 / 呼吸仕事量 / 人工呼吸 / モデル肺 / プレッシャ-サポ-ト / 胸腔内圧 / 食道内圧
研究概要

先ず一昨年度に開発した自発呼吸のシミュレ-ションが行えるモデル肺を使用してプレッシャ-サポ-ト換気を行い、モデル肺のインピ-ダンスをいろいろ変化させた場合のautoーPEEPの発生並びにautoーPEEPの増加に伴う吸気トリガ-の遅れを検討した。その結果、特に時定数の大きな肺では一回換気量に比例してautoーPEEP値は上昇し、吸気トリガ-の遅れもautoーPEEPの値に応じて直線的に上昇した。つまり、患者ー人工呼吸器の同調性を大幅に改善できたといわれるプレッシャ-サポ-ト換気人於いても時定数の大きな肺を対象に換気補助を行う際にはautoーPEEPの発生並びにそれによる吸気トリガ-の遅れのために吸気工事の軽減には重大な限界が存在することが判明した。一方、autoーPEEPによる吸気トリガ-の遅れに対してはカウンタ-PEEPを使用するとトリガ-遅れが解消できるとの報告もあるが、呼吸気の気道抵抗が変化しない場合、つまりDynamic compressionが存在しない場合はプレッシャ-サポ-トレベルの増加に伴って、autoーPEEPは直線的に上昇するため、トリガ-遅れを軽減する事はできないということも判明した。従って、喘息等でカウンタ-PEEPが有効に働くのは呼吸気で気道抵抗が違う肺にのみ有効であり、臨床的にはこのDynamic compressionの存在をどう診断するかが重要である。従って、autoーPEEPの発生している肺に盲目的にカウンタ-PEEPを使用するのは危険ですらある。一方、我々は電気回路による患者ー人工呼吸器に相互作用シミュレ-ションも完成した。本電気回路は人工呼吸器側にはSIMV、PSVを理想的波形で行わせることが可能であり、呼吸筋の圧力発生様式も様々な形態を取ることを可能した。特に本電気回路では従来から使われてきた肺のキャパシタンス(C)成分を固定したものから可変のCに変更し、コンプライアンス成分を加味したCとした。この電気回路の完成によって今後気道内圧波形の肺のインピ-ダンスに応じた制御が可能になると思われる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Kacmarek RM: "The Second Nagaya Conference:Triggering and opimizing mechanical vehtilatoty assist" Resper Care. 36. 45-51 (1991)

  • [文献書誌] Kimura T: "Determination of the optimal pressure support level evaluated by measuring transdiaphragmatic pressure" Chest. 100. 112-117 (1991)

  • [文献書誌] Takahashi T: "Comparison of inspiratory work of breathing in Tーpice breathing,Pressure Support ventilation and pleural pressure support vantilation(PPSV)" Chest. 100. 1030-1034 (1991)

  • [文献書誌] 武澤 純: "人工換気における呼吸気比の考え方ーInverse Ratio ventilation(IRV)ー(教育講演)" 日本臨床酔学会誌. 11. 163-168 (1991)

  • [文献書誌] 島田 康弘: "呼吸仕事量は機械的な換気補助のパラメ-タ-となりえるか?" 人工呼吸. 8. 31-59 (1991)

  • [文献書誌] 桑山 直人: "人工呼吸中の換気力学的センタ-" 臨床モニタ-. 2. 455-462 (1991)

  • [文献書誌] 武澤 純: "人工呼吸の種類と特徴III.IMV(SIMV)とプレッシャ-サポ-ト換気" 74-84 (1991)

  • [文献書誌] 武澤 純: "ICU患者における胃内細菌と肺炎" 59-63 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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