1.雑種猫において、レ-ザ-組織血流量測定装置(ニ-ドルタイプ)で皮質の血流量を測定すると、アノキシア負荷により初期に一過性の増加をした後、動脈圧が対照値以下になると同時に急速に減少し0となった(アノキシア負荷後平均6分後) 2.虚血又はアノキシア負荷による活性酸素の発生については他〓器では再潅流又は酸素再供給後に増加することが報告され、その発生源としてキサンチン-キサンチ二酸化酵素系の関与が示唆されているが、脳ではキサニチン酸化酵素がほとんど存在しないため、発生源となりうる可能性のある脳内カテコ-ルアミンの濃度の変化をin vivo microdialysis法により透析プロ-ブを皮質、視床下部、延髄縫線核及び被殻に挿入して測定した。その結果アノキシア負荷による細胞死に至る過程で、脳細胞外液中にカテコ-ルアミンが急増することより、脳での活性酸素発生源となりうる可能性が示唆された。又モノアミン代謝産物であるホモバニリ二酸、5-ヒドロキシインド-ル酢酸の脳細胞外液中の濃度の減少が細胞膜の脱分極性変化を反映している可能性が示唆され、脳障害の程度をも反映する結果が得られた。(第8回日本蘇生学会発表、第37回日本麻酔学会発表、physiology&Behavior in press) 3.活性酸素のin vivoでの発生の証明方法としてaminotriazoleeによる内因性catalase活性の抑制よりH_2O_2の発生を指標とする予定であったが、虚血実験の場合はaminotriazoleの追加投与が不可能であるため、透析プロ-ブを脳内に挿入し、その潅流液中のH_2O_2の濃度を測定する方法を考慮中である。
|