• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1990 年度 実績報告書

膀胱前立腺腫瘍に対するマイクロ波凝固療法の治療効果および免疫学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 01570878
研究機関秋田大学

研究代表者

宮形 滋  秋田大学, 医学部, 助手 (00157596)

研究分担者 原田 忠  秋田大学, 医学部, 講師 (00108953)
菅谷 公男  秋田大学, 医学部, 助手 (20179120)
キーワード膀胱癌 / 前立腺癌 / VXー2腫瘍 / マイクロ波 / マイクロ波凝固療法 / 組織学的所見 / 免疫抑制因子 / 超音波モニタ-
研究概要

基礎的研究では、ウサギの膀胱壁に可移植性腫瘍VXー2を移植し、この腫瘍に対してマイクロ波凝固療法を施行して病理組織学的、免疫学的に検討した。病理組織学的には、マイクロ波凝固後に腫瘍細胞の完全な凝固壊死巣が確認された。また、凝固部位の膀胱粘膜上皮は変性、脱落像を呈したが、徐々に再生傾向を示し、凝固後60日には修復した。凝固した膀胱壁の筋層には変性像、線維化などがみられたが、組織の炭化や穿孔は認められなかった。免疫学的検討では、治療前後で免疫抑制因子としてS.I値の推移を調べたが、マイクロ波凝固療法を施行したウサギでは未治療群と比較し有意に免疫抑制効果が減弱していた。
膀胱癌に対するマイクロ波凝固療法の治療効果を臨床的にも検討した。本法を中心に治療した膀胱癌100症例におけるKaplanーMeier法による4年生存率は、表存性膀胱癌では82%、浸潤性膀胱癌では72%であった。また、悪性度別ではG1で93%、G2で78%、G3で60%と良好な成績を示した。さらに、これら100症例の4年非再発率は70%であった。尚、本法に起因する重篤な合併症は認められていない。これらの結果から膀胱癌に対するマイクロ波凝固療法の有用性が基礎的、臨床的に確認できた。
排尿困難を有する前立腺癌9症例に対し、超音波モニタ-下に経尿道的マイクロ波凝固術を施行し臨床的検討を行った。外径8mmのマイクロ波照射用アプリケ-タを使用し、出力100ワットのもと前立腺を60ないし120秒間凝固した。その結果、マイクロ波による前立腺の凝固領域は、超音波モニタ-によってhyperーecholc areaとして明確に把握でき、安全かつ充分に凝固ができた。また、治療後には排尿困難は全例で消失するとともに、残尿量も有意に低下し、本法の有用性が確認された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 原田 忠,木暮 輝明,熊崎 匠,本郷 隆二,高 大輔,下田 次郎,佐藤 良延,吉田 公基: "実験的ウサギ移植膀胱腫瘍に対するマイクロ波凝固療法の基礎的検討" マイクロウェ-ブサシェリ-. 8. 7-12 (1990)

  • [文献書誌] 木暮 輝明,原田 忠,宮形 滋,熊崎 匠,本郷 隆二,高 大輔,下田 次郎,吉田 公基,佐藤 良延: "マイクロ波凝固療法を中心とした膀胱癌の治療成績" マイクロウェ-ブサ-ジェリ-. 8. 57-60 (1990)

  • [文献書誌] Harada,T.,Kigure,T.,Kumazaki,T.,Etori,K.,Satoh,Y.and Tsuchida,S.: "Intraoperative realーtime ulfrasonic scanning for microwave coagulation of the prostate" Urol.Radiology. 12. 45-49 (1990)

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi