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1.鶏卵法を用いたヒト尿路悪性腫瘍に対する抗癌剤単独、温熱単独または温熱併用抗癌剤感受性試験において、抗腫瘍効果判定法の一つとして腫瘍塊の重量測定は有効な方法と考えられた。しかし腫瘍内での壊死部分の占める割合が大きい症例においては、この判定法では正確な結果が得られなかった。生細胞の指標としてのMTT法を用いた判定では、壊死巣の占める割合が大きい場合には重量測定法により抗腫瘍効果が認められない症例においても、MTT法によりその抗腫瘍効果を定量化することが可能となった。以上より、受精鶏卵漿尿膜法の判定法としてMTT法を用いることで、より精度の高い定量性を特つ判定結果が得られる可能性が示唆された。
2.鶏卵胎児の漿尿膜上の血管内に線維肉腫細胞、腎癌由来培養細胞株を移植し、その肝への転移能につき特異的DNA増幅法(PCR法)およびサザンブロット法による検討を行なった。その結果線維肉腫細胞では多数の転移細胞が検出された。鶏卵胎児肝転移巣に対する各種抗癌剤および温熱治療の効果についての検討では、各種治療法による抗腫瘍効果の判定が定量的に可能であることが証明された。
以上より受精鶏卵漿尿膜を用いた抗癌剤および温熱感受性試験の臨床応用への有用性が示唆された。
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