研究課題/領域番号 |
01570883
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
西野 昭夫 金沢大学, 医学部附属病院(泌尿器科学), 助手 (80198481)
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研究分担者 |
平野 和行 岐阜薬科大学, (薬剤学), 助教授 (90057365)
越田 潔 金沢大学, 医学部附属病院(泌尿器科学), 助手 (70186667)
打林 忠雄 金沢大学, 医学部附属病院(泌尿器科学), 講師 (90151894)
久住 治男 金沢大学, 医学部附属病院(泌尿器科学), 教授 (70019537)
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キーワード | 睾丸腫瘍 / 胎盤性アルカリフォスファタ-ゼ / 腫瘍マ-カ- |
研究概要 |
睾丸腫瘍における胎盤性アルカリフォファタ-ゼ(PLAP)の臨床的意義さらにその腫瘍マ-カ-としての有用性を検討するために以下の研究を行った。<対象および方法>1986年9月より1989年3月までの2年6カ月間に初回治療を行った睾丸腫瘍患者40例について、凍結保存されていた睾丸腫瘍の摘出標本の組織内および患者の血清中のPLAP値を測定した。測定法にはmonoclonal immunocatalytic assay法を用いた。<結果>1)組織内PLAP値では、セミノ-マ組織は正常睾丸組織の約92倍の高値を示し、非セミノ-マ組織と比較しても有意に高値を示した。2)血清PLAP値では、セミノ-マ群においては非セミノ-マ群に比し有意に高値を示した。また、血清PLAP陽性率はセミノ-マ群、セミノ-マ成分を一部含む混合型群、非セミノ-マ群でそれぞれ64%、50%、25%であった。3)セミノ-マ群および混合型群では、血清PLAP値の陽性例においては陰性例に比し、組織内PLAP値は有意に高値を示した。4)セミノ-マ群および混合型群では無転移症例に比し有転移症例において血清PLAP値は高値を示す傾向が認められた。5)治療前後の血清PLAP値の変動について検討すると、治療前に高値を示したセミノ-マ群および混合型群においては、治療後17例全例に血清PLAP値の陰性化を認めた。<結論>以上より、睾丸腫瘍における血清PLAP値の測定は、セミノ-マの診断、病期分類、治療効果判定、経過観察の点において極めて有用で、PLAPはセミノ-マの一つの腫瘍マ-カ-になりうると考えられた。
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