研究課題/領域番号 |
01570885
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
河田 幸道 岐阜大学, 医学部, 教授 (00021428)
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研究分担者 |
斉藤 昭弘 岐阜大学, 医学部, 助手 (70170488)
伊藤 康久 岐阜大学, 医学部, 助手 (50223194)
出口 隆 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (40163935)
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キーワード | 前立腺炎 / EPS / 前立腺カテ-テル / Meares & Stamey法 / C.trachomatis / U.urealyticum / PCR法 / DNA診断法 |
研究概要 |
研究目的:尿道常在菌などによる汚染を受けることなく前立腺分泌物(EPS)を採取可能な専用カテ-テルを試作し、このカテ-テルを用いることにより前立腺炎の診断、原因菌の決定をより容易かつ確実にするとともに、原因菌としてのChlamydia trachomatis、Ureaplasma urealyticumの意義を明確にする。 研究結果:従来行われているMeares & Stamey法と前立腺カテ-テル法とを慢性前立腺炎が疑われた症例11例に施行した結果、両診断法の一致率は11例中8例(73%)であったが、一致しなかった3例では、カテ-テル法のほうがより正確に診断可能であった。これらの成果を基礎的検討と臨床的検討の2編にまとめ、「泌尿器科紀要」に発表したが、本法は従来の診断法では診断困難な前立腺炎、とくに細菌性前立腺炎と非細菌性前立腺炎の鑑別が困難な症例や、細菌性前立腺炎において原因菌の決定が困難な症例に対しては有用な方法であると考えられた。 C.trachomatisについては、これが原因と考えられる前立腺炎を2例経験したが、カテ-テル法を用いてもクラミジア性尿道炎を否定することは困難であった。このため前立腺炎におけるC.trachomatisおよびU.urealyticumの病原的意義を明確にするためには前立腺を直接穿刺し、穿刺液中から両菌を検出する必要のあることが判明した。このため微量の穿刺液からも検出可能な感度の高郁検出法としてpolymerase chain reaction(PCR)法を用い、C.trachomatisおよびU.urealyticumを検出する方法を確立し、C.trachomatisの検出法については「感染症学雑誌」に発表した。この方法を用いた前立腺穿刺液からのC.trachomatisおよびU.urealyticumの検出は現在継続中である。
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