研究課題/領域番号 |
01570902
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
岸本 武利 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (00047078)
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研究分担者 |
船江 良彦 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (00047268)
中谷 達也 大阪市立大学, 医学部, 助手 (40183511)
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キーワード | 蓚酸の薬理動態 / 蓚酸塩結石 / オ-トラジオグラフ / 過蓚酸尿症ラット |
研究概要 |
尿路結石症に於ける結石成分の約70%は蓚酸塩であるにもかかわらず、蓚酸の生体内動態は不明である。そこで我々は蓚酸の生体内動態を検討する目的で、ラットを用いC-14でラベルした蓚酸を静注し平衡に達した後の血中濃度の減襄曲線を検討した。その結果、蓚酸は主として腎より排泄されるが、肝からも胆汁中に排泄される。腎の蓚酸のクリアランスはイヌリンのものより少し大きい(約1.2倍)。また蓚酸の体内分布はイヌリンのそれに比し有意に大きく、細胞内液中へも分布することが判明した。 上記の実験と同様のことをビタミンB_6欠乏食を与えて作成した過蓚酸尿症ラットでも検討した。過蓚酸尿症ラットの腎の蓚酸クリアランスは正常群のそれと殆ど変らなかっが、尿中排泄量は正常のそれの2-4倍と有意の高値を示し、B_6欠乏食を与えたラットの血中蓚酸濃度が有意に上昇していることが推察された。またこの過蓚酸尿ラットを用いてC-14ラベルした蓚酸を用い、過蓚酸尿症ラットの蓚酸の分布を知る目的でAutoragiographyを検討した。過蓚酸尿症ラットでは腎、肝、骨にアイソト-プの集積がみられ、先の実験の蓚酸の生体内分布の知見を裏付けると共に、腎では、乳頭部の実質内に多く集積し、長期過蓚酸尿症ラットでは乳頭部の実質内にplaque状に集積することが観察され、蓚酸結石発生機序解明のための足がかりを得た。
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