1.春期発動前のラット卵巣を定量形態学的に分析すると、21日令までに卵胞数の急激な増加があり、以後、卵胞直径の増加が主となっていた。成熟ラットの卵胞発育分布は概ね、21日令で確立されていた。 2.妊婦第17日目のラットにBrDUを投与して胎仔卵細胞を標識すると、生後28日目に至るまで、核内の安定した標識状態が認められ、同時標識化卵胞集団(Cohort)が作成されていた。 3.上記Cohortの大部分は顆粒膜細胞層を伴わない原始卵胞(type1+2)で、生後1週で100%、生後2週で98.8%、生後4週で88.5%と次第に顆粒膜細胞を1層伴う初期発育卵胞(type3)への移行がみられた。胞状卵胞にまで発育していたものは、生後4週で2ー4個と極めて低率(4.6%)であった。 4.以上より、初回排卵される卵胞群は特定のCohortに由来するものではないことが示唆された。
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