DMBA誘発ラット乳癌は作成できたが、この腫瘍をヌ-ドマウスに移植したところ、結局生着しなかった。また、in vitroでのラット乳癌細胞の長期継代培養はことごとく失敗した。これは培地中にラット乳癌が必要とするgrowth factorが欠けているためと考えられた。しかしながら、現在、1株が約半年間に亘って増殖を続けている。また、この腫瘍細胞の短期培養は可能であり、初代培養細胞を用いて、黄体ホルモンの抗腫瘍作用を検討することが可能であった。この細胞に関してはin vitroで培養し、MPAが抗腫瘍作用を示すことを確認した。 ヒト正常子宮内膜の培養を行い、同じく、in vitroにおいてMPAが増殖抑制作用を持つことを検討した。また、正常子宮内膜細胞を腺細胞と間質細胞の分けて培養し、両者間でのホルモン感受性の差を検討した。 子宮体癌細胞Ishikawa株の旋回培養を行い、Spheroidを作成した。この細胞集塊をcoreとして、周囲に正常子宮内膜の間質細胞を付着させ、腺癌細胞と間質細胞からなる細胞集塊を作成している。これに対するMPAの作用を検討する予定である。
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