研究課題/領域番号 |
01570918
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
稲葉 憲之 千葉大学, 医学部, 講師 (70114238)
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研究分担者 |
岡嶋 祐子 千葉大学, 医学部, 助手 (10203978)
深沢 一雄 千葉大学, 医学部, 助手 (00189911)
岩崎 秀昭 千葉大学, 医学部, 講師 (60124244)
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キーワード | 子宮体癌 / Oncodelopmental antigen / 胎児蛋白 / 胎盤蛋白 / 腫瘍マ-カ- |
研究概要 |
本年度は二種の胎児・胎盤組織蛋白P-450HFLa及びPP_4に関して以下の二点につき基礎的検討を行った。 1)胎盤、胎児臓器、婦人科臓器及び各種婦人科悪性良性腫瘍における免疫組織学的検討;局在所見はavidin-biotin immunocomplex(ABC)法に依った。 2)P-450HFLa及びPP_4に対するenzyme immunoassay(EIA)法の組み立て、及び男女血中正常値、月経周期及び妊娠中における変動、更に各種婦人科疾患における陽性率に関する予備試験;EIA法はsolid-phase competitive法に依った。 得られた成績の概要は以下の如くである。 1)P-450HFLa及びPP_4はヒト胎盤繊毛に明瞭な局在が認められ、特にPP_4はcynomolgusサル胎盤でもその存在が確認された。 2)P-450HFLaは主として胎児肝臓で明瞭な局在が認められ、免疫組織学的陽性度はage-dependentであり、成人肝臓における陽性度は極めて低かった。 3)P-450HFLaの子宮体癌細胞における局在率は86%に達したが、PP_4は20%と低率であった。しかしながらPP_4は子宮内膜間質細胞で強陽性であり、この事が進行初期より血中高値を取る理由の一つであろうと推測された。 4)P-450HFLa及びPP_4の子宮体癌症例治療前における血中高値率はそれぞれ100%、及び48%であった。P-450HFLaの血中高値率は極めてdrasticであるが、正常上限が3U/mlと低値で、癌細胞より血中への遊離は僅少であり、古典的腫瘍マ-カ-としての有用性には問題があると思われた。
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