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1990 年度 実績報告書

子宮頸癌ハイリスク因子としてのパピロ-マウイルス感染の疫学的・免疫学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 01570920
研究機関東京大学

研究代表者

吉川 裕之  東京大学, 医学部, 助手 (40158415)

研究分担者 藤井 知行  東京大学, 医学部, 助手 (40209010)
横田 治重  東京大学, 医学部, 助手 (40182696)
キーワードヒトパピロ-マウイルス(HPV) / filter in situ hybrid法 / PCR / 子宮頸癌 / 子宮頸部異形成 / 子宮頸部上皮内癌 / 正常子宮頸部
研究概要

子宮頸部のヒトパピロ-マウイルス(HPV)感染に関して,正常子宮頸部,子宮頸部異形成,子宮頸部上皮内癌,子宮頸癌(浸潤癌)を次の2つの方法を用いて検討した。第1は子宮頸部からの剥離細胞を用いたfilter in situ hybridization法であり,第2は多型のHPVを検出できるconsensus primersを用いたPCR法(検体には,正常子宮頸部は剥離細胞を用い,他は生検検体を用いた。)である。
(1)Filter in situ hymidization法
666名の正常子宮頸部から,6名(0.9%)にHPV6/11,12名(1.8%)にHPV16,4名(0.6%)にHPV18が検出された。50未満では,5.7%のHPV感染率に対し,50才以上では0.9%とく,性ホルモンや性活動がHPV検出に影響していると考えられた。軽度・中等変異形成ではHPV16/18感染が24.3%に,高度異形成・上皮内癌では34.6%に,癌では48.4%に認められた。この方法により,正常子宮頸部(特に若年者)にもHPV感染が存在(不顕性感染)するが,子宮頸部のneoploomaに比べれば明らに低い感染率であることで示された。
(2)Consensus primerーmediated PCR法
HPV DNAのE6及びL1において,多型のHPVを同時に検出できる高感度PCR法を開発した。E6のPCRではHPV16,18,33,58を,L1のPCRではHPV6,11,16,18,31,33,42,52,58の9型を検出できる。これにより、正常子宮頸部ではHPV検出率が11%,異形成〜癌では90〜100%の検出が可能となった。異形成から癌へ,病変が高度になるにつれてHPV16/18が高率に検出された。子宮頸癌では66/69(96%)にHPVが検出され,16が53.6%,18が13.0%,31が2.8%,33が5.8%,52が5.8%,58が5.8%タイプ不明(9型以外)が8.7%に検出され,多くの型のHPVが子宮頸癌発生に関与している可能性が示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 吉川 裕之、水野 正彦: "婦人科癌発症のNatural Historyー子宮頸癌ー" 臨床婦人科産科. 44. 203-207 (1990)

  • [文献書誌] 吉川 裕之,水野 正彦,川名 尚: "病原性因子とDNA診断ーパピロ-マウイルスー" 臨床と微生物. 17. 17 (1990)

  • [文献書誌] 吉川 裕之,水野 正彦: "子宮頸癌の発生とウイルス" 産婦人科治療. 61. 1073-1076 (1990)

  • [文献書誌] 吉川 裕之: "子宮頸癌の発生におけるウイルス学的病因論ー感染から発癌までー" 日本産科婦人科学会誌. 42. 834-843 (1990)

  • [文献書誌] Yoshikawa,H.,Kawana,T.et al.: "Amplitication and typing of multiple cericol caneerーassociated human popillomaviros DNAs using a singl pair of primess." Int.J.Cancer. 45. 990-992 (1990)

  • [文献書誌] Yokota,H.Yoshikawa,H.et.al.: "Detection of Human papollomavirus types 6/11,16and 18 in exboliated cells from the aterive cervices of Japanese women with and without Lesions." Jpn.J.Cancer Res.81. 896-901 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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