1.生体組織中期のbasic FGF(bFGF)含有量および組織からの放出量の定量法を確立するため、bioassay、ELISA、RIAの各測定法を用い、検討を加えた。Bioassayは3T3細胞への ^3Hーチミジン取り込み法、ELISAは2種のヒト抗bFGF抗体(MAb52、MAb78)によりtwo site法、またRIAは市販のbFGFキットを使用した。各測定法における絶対値には差があるものの、測定値間には良好な相関が得られ、bFGF測定の妥当性が示された。 2.患者の同意を得て採取した妊娠各期のヒト胎盤組織を対象に、bFGF含有量を測定した。その結果、ヒト胎盤内bFGF含有量は妊娠12〜16週に最高値をとり、以後は分娩時まで漸減を続けるという事実を確認した。 3.妊娠中毒症合併胎児発育遅延例では、胎盤中bFGF含量が有量に減少することを確認した。
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