(1)不妊外来受診患者684名について抗精子抗体スクリ-ニングを(1)精子凝集試験(2)精子不動化試験(3)酵素免疫測定法(4)イムノビ-ズテスト(5)混合免疫グロブリン反応の5種類の抗精子抗体測定系を用いて行った。その結果、抗精子抗体保有者71名を選別し得た。 (2)ヒト型モノクロ-ナル抗体作成の予備実験として、capacitation前後のヒト精子でBalb/Cマウスを免疫し、抗精子モノクロ-ナル抗体10種を得た。 (3)得られた抗精子モノクロ-ナル抗体でヒト精子を処理し、透明帯除去ハムスタ-卵への精子貫通実験を行ったところ、いずれも貫通阻害を示した。 (4)抗精子抗体保有患者2名がマウスミエロ-マ細胞とのハイブリド-マを作成した。作成したハイブリド-マのうちIgG産生株48種について、その培養上清とヒト精子との結合を酵素抗体法で検討を行ったが、抗精子モノクロ-ナル抗体産生株は得られなかった。 (5)抗精子抗体保有患者の抹消リンパ球中には精子を認識するクロ-ンの存在は僅少と考えられるため、in vitroで特異的クロ-ンの増幅をはかることが必要である。
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