研究概要 |
1.基礎的検討として,BOAI法(balloon oculuded arterial infusion法)の有用性を明らかにすべく,Pt濃度の面より,現在検討中である。 2.子宮頚癌II期広汎全摘手術11症例のCDDP昇圧術前動注化学療法の検討 (1)摘出物における組織内Pt平均濃度は,病巣頚部1.74μg/g,正常頚部4.19μg/g,病巣腟部3.57μg/g,正常腟部4.13μg/g,卵巣2.43μg/g,筋層2.87μg/g,内膜2.93μg/g,腟2.57μg/g,旁組織外側1.11μg/g,旁組織内側2.43μg/gと全体に高い値が得られた。(2)子宮頚部病巣のコルポスコ-プによる効果判定病巣の経時的縮小率は1週目55%,2週目62%,6週目82%であった。(3)組織学的効果摘出物の組織学的効果について大星下里分類で検討するとI9.1%,IIa27.3%,IIb36.4%,IV27.3%であった。(3)動注症例の摘出物における組織学的広がりの検討リンパ節転移率は9.1%と減少しており,病巣子宮内限局率100%であった。(4)今回の症例の追加では重篤な副作用は認めなかった。 さらに以上の項目について症例数の追加を行い検討を行いたい。 3.動注化学療法に伴う6例の子宮頚部のEGFrecepter(EGFR)の検討 (1)腫瘍径12mmx12mmでEGFR量15fmol/mg prot.,25mmx15mmで138fmol/mg prot.,40mmx30mmで834fmol/mg prot.と,腫瘍径が大きければEGFR量も多い相関が認められた。(2)EGFR量が15fmol/mg prot.で縮小率100%,76fmol/mg prot.で80.3%,834fmol/mg prot.で58.5%とEGFRが量が100以上の症例では腫瘍縮小率が劣る傾向が認められた。さらに症例数を増やし検討中である。
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