研究課題/領域番号 |
01570956
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
形浦 昭克 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60045359)
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研究分担者 |
下田 和夫 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60206232)
小林 一豊 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70145564)
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キーワード | Surfactant / 滲出性中耳炎 / リン脂質 / 中耳貯留液 / 耳管洗浄液 / サ-ファクテン / 耳管開放圧 / 酵素抗体 |
研究概要 |
1)ヒト中耳貯留液中に酵素学的検索から肺サ-ファクタントの主成分であるDSPCが存在することを認めた。貯留液の性状の差異によりDSPCが存在することを認めた。貯留液の差異によりDSPCはSerouがmucoidより高い傾向が認められた。トレ-サ-を用いた動物実験で耳管粘膜がこのDSCPを合成する能力があることが示唆された。 2)そこでモルモット実験動物における中耳耳管洗浄液とリン脂質の検討を行った。中耳耳管洗浄液中の蛋白量当りのPCおよびDSPCを測定し血清と比較し、更には耳管開放圧との相関を検討した。DSPC/PCのRatioは血清に比べ耳管洗浄液で有意に高かったが、開放圧との相関は見られなかった。サ-ファクテン^<【○!R】>による耳管洗浄は生食に比べてPRがより高かった。このことは、中耳耳管粘液中のリン脂質が血清のみではなく、耳管粘膜からも経験されている可能性を示唆した。また耳管開放圧を決定する因子は耳管内腔の表面活性ばかりでなく、耳管の物理的性質が左右されると思われた。かかる表面活性物質がこれらを改善する可能性が検討された。 3)かかる腫々の検討より、これらサ-ファクタント様物質は血清由来ではなく、中苦腔内において独自に産生されていることが予想される。更に人工サ-ファクタント様物質の治療への応用を検討するために中苦腔内へのこの物質の投与の内耳への直接的な影響を組織学的な面から検討を加えた。その結果、サ-ファクタントが中耳炎の治療を促進する可能性が示唆されたが、今後さらに継続研究する必要性が検討された。
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