研究課題/領域番号 |
01570967
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
吉田 哲二 久留米大学, 医学部, 助教授 (70080926)
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研究分担者 |
黒岩 泰直 久留米大学, 医学部, 助手 (40205224)
田中 康政 久留米大学, 医学部, 助手 (00197485)
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キーワード | 嚥下第II期 / 筋電図 / 咽頭食道内圧 / X線食道透視 / 多元的同時記録 |
研究概要 |
嚥下に関する研究には、X線透視、筋電図、内圧測定を用いる方法がある。著者らは3つの方法を同時記録する装置を開発し、主に嚥下第II期の嚥下動態について研究を始めた。今回は装置の紹介と研究方法ならびに正常例について報告する。 装置と研究方法:筋電図は白金イリジウムの双極有釣線電極を用い、同時に4筋誘導した。内圧測定にはゲ-ルテック圧力トランスジュ-サ-、タイプ16CTを用い、これにセンサ-を18mm間隙で3ケ所に同一方向につけ、3チャンネル同時記録した。筋電図を誘導したのち、圧トランスジュサ-を経鼻的に咽頭へ挿入固定し、それぞれの波形をオシロスコ-プの同一画像内に掃引させ、それをビデオカメラで撮影した。ビデオワイパ-によりそれぞれの波形をX線透視画像内にはめ込み、V.T.R.に録画した。X線透視画像の分析は、バリウムの咽頭内通過状態、声門上部の閉鎖状態、咽頭管の開大閉小、咽頭の挙上下降、舌根部の動き、咽頭後壁の動きについて行い、同時記録した筋電図と内圧波形とを同じ時間的関係で対比させた。 研究の結果:内圧の波形が各部の動きや筋電図の波形との間に時間的ズレが生じることがわかった。そこで安静時や嚥下時の圧センサ-の位置を計測してみた所、嚥下第II期の間は安静時より約半頸椎分高い位置にあり、嚥下第II期が終わる頃から急速に下降し安静時より逆に約半頸椎分低い位置にあり、その後安静時にもどることがわかった。従って内圧を用いる嚥下の研究の際は、常に圧センサ-の位置を考慮して解析する必要がある。 今後の研究の展開:上記装置によって得られた内圧波形の分析を今後どうするかが問題となる。物理学者との意見交換が必要である。
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