平成元年度科学研究費補助金により、超細径ファイバ-スコ-プビデオシステム(メディカルサイエンス社製FV2000)、および超細径観察用ファイバ-スコ-プを購入し、第1の課題である、内視鏡システムによる導涙系の観察を行った。正常者、急性・慢性涙嚢炎、鼻涙管閉塞症患者などにたいし涙嚢内壁・内腔、鼻涙管の直接的観察を行い、第26回国際眼科学会、日本臨床眼科学会、眼窩シンポジウムなどに報告した。 平成2年度においては、涙嚢・鼻涙管観察用のファイバ-スコ-プにさらに試作改良を行い、直径0.62mm(観察用オプチカルファイバ-4000本)、観察用焦点距離1.0〜1.5mm観察角度は70度が最適であることをことを確認するとともに、涙嚢炎の経過による涙嚢内壁・内腔の変化を報告した。 平成2年度の第2の課題は、眼窩病変に対する内視鏡的診断法の確立である。この目的に適したファイバ-チップを様々試作した。眼窩内には脂肪組織が充満しており、観察空間の確保が非常に困難である。先端部に必要な条件は、非常に狭い空間からの挿入が可能で、内部において観察距離の確保のための充分な空間の確保が可能、となる。現在まで試作した、ファイバ-チップでは残念ながら明瞭な画像が得られない。さらに試作開発を継続する予定である。
|